ちくま文庫
一千一秒物語―稲垣足穂コレクション〈1〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 382p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480420268
  • NDC分類 918.68
  • Cコード C0193

内容説明

足穂コレクション刊行開始!V感覚もP感覚も畢竟するところA感覚へと収斂するものである―。宇宙的郷愁と機械美への憧憬とダンディズムに充ちた独特な作品群は情感主義的な日本文学風土を超えひときわ異彩を放つ。本巻には処女出版の代表作『一千一秒物語』をはじめ、「第三半球物語」「私の耽美主義」「オードヴル」「水晶物語」「彗星倶楽部」「月光密輸入」などの初期作品を収録する。

著者等紹介

稲垣足穂[イナガキタルホ]
1900‐77年。小説家。大阪の船場に生れる。関西学院普通部卒業後、上京。佐藤春夫の知己を得て「チョコレット」「星を造る人」を発表。イナガキ・タルホの名前で出版した『一千一秒物語』により注目される。1969年『少年愛の美学』で第1回日本文学大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yura2

16
スーパームーン記念再読。2015/09/28

片瀬

13
第1巻では初期作品を収録。まさか、ショウネンアイにダンショクといった内容があるなんて……。そういうものは、残念ながらあまり興味がなく、若干駆け足気味に。最初に読んだ『一千一秒物語』が良かったです。一瞬のうちに現れては消えていくドタバタ不条理流星群。その中でも「星におそわれた話」が好きです。エッセイは、共感できないもの(『WC』には参りました)が多かったのですが、未来派の当時を語る『宝石を見つめる女』は素敵でした。「絶望感、澄明な、悲しい感銘をもたらせるような効果」の追求ですか、火に油を注ぐような言葉です。2015/03/02

hikarunoir

6
好き嫌いはともかく、あの人がなぜこの本に拘っていたのかが分かる天体感覚。スカトロ感覚にまでも思いを巡らしている点は意外。2016/11/26

amanon

5
先に読んだ「ちくま日本文学」に触発され、更に深掘りすべくこのコレクションを手に取る。表題作は再読だが、初読の時以上に月と星が頻出するのに虚をつかれたような思いが。解説で示唆されているように、はなから論理的整合性を無視したかのような語りに、このような作品が前世紀初期に書かれたことが奇跡のように思えてくる。そして、著者がのちの作品がこの作品の解説のようなものだと語ったことが、今更ながらに意味深く響く。また、夥しいまでに作品の随所に散りばめられたカタカナ英語に、一時期はさぞ辛かっただろうな…と想像させられた。2024/10/20

李孟鑑

5
再読。主に1920年代から40年代までの初期作品を集めた短編集です。初期の作品は、童話的な透明感と安っぽい(良い意味)人工物の匂いが入りまじった、独特の空気が良いです。月・星・天体・飛行機・少年と、だいたい同じモチーフのくり返しが多いのですが、それもまた良し。バランスなど考えずに自分の愛好物をひたすら追求するのが、足穂先生なのですよ。後期の作品も良いのだけど、圧倒的な個性は初期かなあ……、とあらためて。特に好きなのは「RちゃんとSの話」。2018/06/21

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