内容説明
江戸から明治へ、時代が大きく変わるとき、言論は沸き、都市はその姿を一変し、多くの風俗と事件の陰に人の姿が交錯する。丹念な資料の読み込みが、幻景の街に見すえるのは、「明治の原景」である。関係諸論を加え、前田史学の全体像を集成する。
目次
幻景の明治 歴史と文学のあいだ(「維新」か「御一新」か―明治維新と近代文学;高橋お伝と絹の道;三島通庸と鹿鳴館時代;元田永孚と教育勅語;井上哲次郎と高山樗牛;志賀重〓と日露戦争;鳴呼世は夢か幻か―野口男三郎事件顛末;開化の工匠―『五重塔』の嵐 ほか)
江戸と明治(衆道の詩仙・石川丈山;綱吉と吉保;馬琴と透谷―「侠」をめぐって;漱石と江戸文化;荷風における江戸;石川淳の江戸 ほか)
歴史と文学のあいだ(水野忠邦と鳥居耀蔵;草莽の悲劇・根岸友山;西南戦争と文壇 ほか)