感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
てれまこし
4
大正デモクラシー期に花咲いた自由主義は、その後期には早くも左右からの挟撃を受ける。それもあってか、この時代の自由主義は単純な個人主義にとどまらず、人格の完成を最高の価値とする新カント派の影響が強いし、「協同性」を求める声も全く無視できない。つまりドイツ臭い。人格を高めるという要請がニーチェの超人主義にもつながったりして、なしくずしに全体主義的な民族論に接続しかねないようなもろさがあるような気がする。石橋湛山などのアングロ的リベラルはあまり哲学的じゃないんだけど、日本に不足していたのはこういう人たちかもな。2018/12/03