シリーズ・全集<br> データを通じて世の中を見る - 「もしも」は調べられるのか?

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データを通じて世の中を見る - 「もしも」は調べられるのか?

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  • サイズ 46変判/ページ数 128p
  • 商品コード 9784480251664
  • Cコード C0333

出版社内容情報

「スマホをやめたら、成績が良くなるのか」

をどう確かめる?



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「難関校に行くと成績は伸びるの?」を考えたくても、同じ人が「難関校に行った結果」と「行かなかった結果」を比べることは現実にはできない。しかし世の中で起きた偶然の出来事を分析すると、その問いの答えに近づくことはできる。そんな「もしも」の調べ方を、紹介します。

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「進学実績の良い高校に行けば、成績は伸びるのか」

「朝ごはんを食べると、成績は上がるのか」

「スマホを長く使うと、成績は下がるのか」

 どれも身近で、ちょっと考えれば答えが出そうな問いです。実際、データを見ても、進学校の生徒は他校の生徒より成績がよく、朝ごはんを食べる子はそうでない子より成績がよく、スマホを長く使う子は成績が低い。だから、進学校をめざし、朝ごはんを食べて、スマホは控えたほうがいい。そう結論づけたくなります。

 ところが、この3つは、ていねいに調べていくと、どれもそう単純にはいきません。データに差が見えても、ぱっと思い浮かぶとおりの原因があるとはかぎらないからです。当たり前に見える話ほど、それが本当かどうかを確かめる方法が要ります。

 データから一見して読み取れそうなことと、その背後で実際に起こっていることのあいだには、しばしばズレがあります。スマホを長く使う子の成績が低いといっても、スマホのせいで成績が下がっているとは限りません。勉強がうまくいかない子ほど、時間をもてあましてスマホに向かっているのかもしれない。あるいは、家庭の事情のような別の要因が、スマホの使い方と成績の両方に効いているのかもしれません。原因と結果が入れ替わっていることもあれば、見えない別の要因が裏で働いていることもあります。

 このズレを見抜くために、研究者たちはある発想を磨いてきました。その核にあるのが「もしも」という問いです。

 たとえば、進学校に通っている一人の高校生を思い浮かべてください。あなた自身でもかまいません。本当に知りたいのは、いまの高校に通ったときの成績と、もしも別の高校に通っていたらどうだったか、その2つを並べた姿です。同じ一人について、ある道を選んだ場合と選ばなかった場合の両方を見たい。けれど人生は一度きりで、進学先は一つしか選べません。実際に歩んだほうの結果は手元にあっても、もしものほうの結果は、ふつうは知りようがないのです。

 それでも、工夫しだいで、その起こらなかったほうの現実に、驚くほど近づける場面があります。本書は、その工夫をたどっていく本です。(「はじめに」より)



【目次】

第1章 見えていることを信じるな

1-1 進学実績の高い高校に行けば伸びるか

1-2 朝ごはんを食べると成績は上がるか

1-3 スマホを使うと成績は下がるか

1-4 相関関係と因果関係はどう違うのか

1-5 因果関係を間違えるとどうなるか

1-6 「もしも」という問いへ



第2章 「もしも」という問い

2-1 あの高校に行っていたら、どうなっていたか

2-2 現実は一度しかない

2-3 個人の「もしも」は知れなくても

2-4 「似たような人」を比べるという発想

2-5 似たグループの作り方



第3章 偶然を作り出す

3-1 くじ引きで決める

3-2 アメリカで行われた大規模実験:プロジェクトSTAR

3-3 「くじ引き」だからこそ意味のある比較になる

3-4 結果:少人数学級は本当に効くのか

3-5 RCTにもできないことがある

3-6 現実の偶然を使う



第4章 境界線で比べる

4-1 1点差の合格と不合格

4-2 エリート校に入れば本当に得なのか

4-3 大きな池の小さな魚

4-4 回帰不連続デザインの仕組み

4-5 RDDが使えない場合

4-6 日本でも「少人数学級」は効くのか



第5章 2つの差に注目する

5-1 制度が変わった学校と変わらなかった学校

5-2 「変化の差」に注目する

5-3 スマホ禁止で成績は上がったか

5-4 学校が建つと、人生は変わるか

5-5 差の差分析が成り立つための条件

5-6 2つの差がもたらす強み



第6章 実社会で見つかる自然実験

6-1 自然実験とは何か

6-2 ノーベル経済学賞を受賞した発想

6-3 常識を覆した最低賃金研究

6-4 日本でも「常識」を問い直す

6-5 研究の蓄積が世の中を変える



第7章 世の中は巨大な実験装置だ

7-1 因果と決めつける前に「比べ方」を問う

7-2 データを見るときの4つの問い

7-3 研究者は世の中をどう見ているか

7-4 世の中に「偶然の差」を探す

7-5 見え方が変わ

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