出版社内容情報
作文のテーマの立てかたや書くための準備、書き出しや見直しの方法などを紹介。その実践が自分と向き合う経験を作る。若い人に手解く、心に効く作文教室。
内容説明
作文は書けないより書けたほうがいい。それはなぜ?作文でつまずく「テーマの決めかた」「書き出し」「伝わらなさ」「感想文を書く意味」から始まり「いい文章の正体」「誰も読まない作文はない」といった作文の本質を紹介。SNSよりおすすめします、書くことを通して自分や世界が見えてくる作文教室。
目次
第1章 作文は何を書いたらいいのだろう?
第2章 作文を書いたらいいことがある?
第3章 作文はどう書いたらいいだろう?
第4章 メモを取ろう
第5章 書き始めてみよう
第6章 伝わる文章ってどんなもの?
第7章 感想文をなぜ書くか?
第8章 文章をもっとよくしたいなあと思った時に
第9章 作文に正解はあるか
著者等紹介
津村記久子[ツムラキクコ]
1978年大阪市生まれ。2005年「マンイーター」(のちに『君は永遠にそいつらより若い』に改題)で太宰治賞を受賞。2009年「ポトスライムの舟」で芥川賞、2016年『この世にたやすい仕事はない』で芸術選奨新人賞、2019年『ディス・イズ・ザ・デイ』でサッカー本大賞など受賞多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さてさて
151
芥川賞作家の津村さんが「苦手から始める作文教室」という書名で作文の書き方を指南してくださるこの作品。そこには、”小説家だって作文は苦手?”というご自身への問いかけから始まる作文の書き方が記されていました。“第一章 作文は何を書いたらいいのだろう?”から”第九章 作文に正解はあるか”までの中に『作文が年々苦手になってきています』という本音から始まる説明などわかりやすく書かれたこの作品。メモを書き留めることの大切さに、強い説得力を感じるこの作品。津村さんの個性溢れる小説の原点を見た、とてもためになる一冊でした2023/07/14
アキ
122
作文をする効用は、「自分という人間を内側から支えること」である。しょうもないことでもメモをとっておくことは、未来の自分に話を聞いてもらうという役割があります。書き留めることによって、はじめて自分がどういう考え方をするのか見えてくることもあります。読書メーターという読書感想文を毎日書くことは、それらを実感することです。「自分の実感を書きましょう。」「ありのままを書いてみましょう。」そして、読んで書くということを繰り返したらいいですよ。良い作文とは、喜びや満足をもたらす作文のことです。どの文章も心に響きます。2022/11/08
岡部敬史/おかべたかし
106
書くことを生業としている人だからこそ、書くことの難しさ、深淵さに立ち位置をおき、本音で書くことをわかりやすく説いた大変な好著でした。「きれいな嘘よりも少し拙い本当のことが愛おしい」というのは同感で。身近にあった些細なことをメモして、それを偉そうぶらず書ければ、作文は徐々に上手く楽しくなるんだと思います。著者の津村さんの本もいろいろ読んでみようと思いました2023/04/18
pohcho
63
<いいね>がつかなくても、人に読まれなくても、自分の考えを文章にすることは、散らかった頭の中を整理できて、自分を知る手がかりになり、自分を内側から支えることにつながっていく。10代のためのノンフィクションシリーズで、作文を書くために役立つことがたくさん書いてあるのだが、それよりも何のために文章を書くのかという本質的な部分が50代の自分の心にとても響いた。私も世界の片隅で、読んで書いて考えて生きていきたいなと思う。2022/10/13
kei302
63
中高生が対象の本ですが、これは、私のための本だ! と思いながら読みました。 津村記久子さんの文章を読むのが好きです。 そして、津村さんの書きっぷりも大好き。こんなふうに書けたらいいなあ。「好きな書き手さんの小さい版を何人も自分の中に住まわせる」小さい版の津村さんは私の中にいます。2022/09/27