出版社内容情報
美容整形やスマートドラッグなど、人体を改良するための技術利用は「私の自由」といえる? 未来社会や現代人の自由をめぐる、生命倫理の対話の世界へようこそ!
内容説明
美容整形、ドーピング、スマートドラッグなど、人体を改良するための技術利用は「私の自由」といえるのか?医療技術の急速な進展は、私たちの生き方や選択をどう変えるのか?次々と繰り出される科学技術との向き合い方を考える“生命倫理”の対話の世界へようこそ!
目次
Lesson1 美容整形は「私の自由」?
Lesson2 ドーピングはなぜいけないのか?安全性・公平性・主体性から考える
Lesson3 スマートドラッグで「私」ではなくなる?
Lesson4 スマートドラッグは、人類を幸せにしてくれるのか?
Private Lesson―生きづらさを感じているみなさんへ
著者等紹介
小林亜津子[コバヤシアツコ]
東京都生まれ。北里大学一般教育部教授。京都大学大学院文学研究科修了。文学博士。専門は、ヘーゲル哲学、生命倫理学。生命倫理をたんに抽象的な知識として教えるのではなく、技術の進歩が次々と投げかける新しい倫理問題に対して、ねばり強く問題解決への道を探るプロジェクト研究の形を中心にした授業を展開している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くさてる
17
「人間の生命や先端医療技術に関する倫理問題』を扱う学問、生命倫理学という学問分野があることを初めて知った。美容整形、スマートドラッグにドーピング、簡単に「駄目でしょ」あるいは「いいんじゃない?」と片付けてしまいがちな問題を、具体例をあげて、読み手も一緒に考えていくスタイルで、なんだか深く考え込んでしまいました。正解はない。でも、それで終わらせていい問題でもない。面白かったです。2022/11/12
shikada
14
美容整形、ドーピング、スマートドラッグなど人体を「改良」する技術の倫理をやさしく解説する一冊。自由主義社会では「判断能力のある大人なら、あらゆる自分のものにかんして、他人に危害を及ぼさない限り自己決定の権限をもつ」という前提に立つ。この前提を踏まえて「誰もが整形をするようになったら『整形を受けないでいる自由』が脅かされるのでは?」「自分の意思ではなく、美容業界の広告に踊らされていないか?」「整形依存症になるような精神疾患がある人の場合、判断能力があると言えないのでは?」といった具体的な問いで整理していく。2025/05/30
たっきー
7
生命倫理というと、かつては生殖医療が中心の話題だったのではないかと思っていたが、この本では身体や頭を科学の力で改造して良いかというエンハスメントの倫理問題がテーマになっている。美容整形、ドーピング、スマートドラッグを例に挙げているが、どう考えたら良いのか、違和感はあるけれど、明確には答えられないなと思った。2022/10/08
vodka
4
答えが出ない問いを考える、、倫理のレッスン。このフレームで考えると、という思考のフレームは他の分野にも応用ができそう。どっちでもいいじゃん、どうでもいいじゃんと片付けていたことに向き合う時間。ディベートの授業でもあれば取り上げられたりもするんだろうけど、なかなか話す機会のない話題だからこそ、こうして本で触れてもらえるのがありがたい。2022/07/21
さき
3
整形やドーピング、スマートドラッグ(初耳だった)など、これらは自己責任の言葉だけで片付くのか。実際、見た目や運動能力、学力が高ければ、生きやすくはなるのだろうけど、際限がなくなるというか、途中で自分が苦しくなりそう。周りがやってるから自分も、という風潮も良くない。やはり見た目に関してはSNSの弊害だと思うな…。対話形式で進むので読みやすかった。2024/12/24
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