内容説明
戦後生まれの歌人の登場、昭和10年代生まれの歌人の相次ぐ歌集、そして「前衛短歌運動」推進者たちの充実した歌集―三つの大きなうねりを示す23歌集。
目次
輝く時は(松坂弘)
森のやうに獣のやうに(河野裕子)
直立せよ一行の詩(佐佐木幸綱)
やさしき志士たちの世界へ(三枝昂之)
青き菊の主題(塚本邦雄)
右左口(山崎方代)
瞑鳥記(伊藤一彦)
天唇(村木道彦)
望郷篇(浜田康敬)
湧井(上田三四二)〔ほか〕
著者等紹介
塚本邦雄[ツカモトクニオ]
大正11年8月7日、滋賀県神崎郡五個荘町に生れる。昭和15年、彦根高商に入学(18年卒業)、仏語に専念、フランスの文学、映画、音楽などに傾倒する。17年、動員令により呉海軍工廠に徴用される。19年、歌誌「青樫」に参加、同人となる。20年、敗戦とともに帰郷、総合商社又一株式会社に勤める。22年、「日本歌人」に参加、前川佐美雄に師事する。24年、杉原一司と同人誌「メソード」を創刊するが、25年、杉原の死とともに七号にて終刊。同年、「日本歌人」同人の合著『高踏集』に参加。26年、第一歌集『水葬物語』を刊行。同年、「短歌研究」の「モダニズム短歌特輯」に、はじめて「弔旗」一〇首を発表。31年、第二歌集『装飾楽句』刊行。明晰な方法意識(とくに暗喩の導入)に目覚めた反写実の立場を明確にし、岡井隆とともに、昭和30年代の前衛短歌運動の主軸となり、戦後、最も鮮烈に現代短歌の変革を図った。34年、第三歌集『日本人霊歌』(昭33)によって第三回現代歌人協会賞を受賞。35年、寺山修司らと同人誌「極」を創刊。49年、勤務先を退職し執筆に専念、幅広い活動を行なう
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