内容説明
太平洋戦争開戦からその終焉まで、緊迫する戦局と国家による言論統制という困難な状況の下で、歌いつがれた歌集17冊を収録。
目次
開墾(吉植庄亮)
赤土(山口茂吉)
対象(加藤将之)
北窓(山本友一)
寂寥の眼(栗原潔子)
彩(館山一子)
丘陵(堀内通孝)
潮汐(鹿児島寿蔵)
天沼(吉田正俊)
春山(柴生田稔)
意慾(赤木健介)
高志(木俣修)
白桜集(与謝野晶子)
背振(中島哀浪)
朱天(斎藤史)
氷炎(鐸木孝)
山光集(会津八一)
著者等紹介
鹿児島寿蔵[カゴシマジュゾウ]
昭和31年12月10日、福岡市下新川端町に生れる。大正2年、福岡高等小学校卒業。その頃より正岡子規の作品に親しみ、作歌を始める。7年、岡田三郎助の本郷洋画研究所に入る。8年、野口光彦、堀柳女らと「甲戌会」を結成、人形制作の芸術運動を起こした。翌9年、再上京、「行路」創刊に参加、「アララギ」入会、島木赤彦に師事する。15年春、赤彦歿後は土屋文明に師事。昭和10年、「短歌研究・優秀作家特輯号」に「海地獄」三〇首を発表し、重厚堅実な自然詠によって、歌壇の新風として注目される。19年、「アララギ」選者。20年、「潮汐会」を結成し、歌誌「潮汐」を創刊・主宰する。21年、関東アララギ会誌「新泉」を編集・発行した。43年刊行の『故郷の灯』により、第二回迢空賞受賞。写生の根源的態度からの追尋による繊細かつ堅実な歌風からさらに軽妙な作風を樹立した。また、紙塑人形作家として、36年、重要無形文化財保持者、42年、文化財専門審議会専門委員となる。昭和57年8月22日歿
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