出版社内容情報
昭和天皇は、豊富な軍事知識と非凡な戦略・戦術眼の持ち主でもあった。軍事を総攬する大元帥としての積極的な戦争指導の実像を描く。解説 茶谷誠一
内容説明
大日本帝国において、天皇は軍事を統帥する大元帥であった。では、天皇は軍部からどのような情報を得て、それに対してどのような質問や意見を発していたのか。また、国策・戦略・作戦の決定に際して、どれほどの役割を果たしていたのか。史料から浮かび上がってくるのは、大元帥としての自覚と責任感を持ち、主体的に戦争指導を行っていた天皇の姿である。その軍事知識は豊富で、非凡な戦略眼によって統帥部の戦略・作戦の欠陥を鋭く指摘することもあった。昭和天皇の戦争指導の実像を描き、その戦争責任を検証する。
目次
第1章 大元帥への道(軍人としての昭和天皇の生い立ち;大元帥としての自覚―摂政時代の転換;大元帥としての天皇の役割)
第2章 大陸への膨張と昭和天皇(代替わり=大元帥・昭和天皇の誕生;満州事変、二・二六事件と天皇;日中全面戦争と大本営の設置;南進・膨張戦略と天皇)
第3章 アジア太平洋戦争における天皇の戦争指導(開戦決定と天皇とのかかわり;天皇による積極作戦の要求;ソロモン・ニューギニアをめぐる激戦;天皇による決戦の要求)
第4章 敗戦と天皇(戦況の悪化を憂慮する天皇;戦況上奏の実態;本土決戦方針と聖断シナリオ)
あとがき―昭和戦争史に果たした天皇の役割とその戦争責任
著者等紹介
山田朗[ヤマダアキラ]
1956年大阪府生まれ。愛知教育大学卒業。東京都立大学大学院博士課程単位取得退学。現在、明治大学文学部教授。明治大学平和教育登戸研究所資料館館長。専攻は、日本近現代史・軍事史・天皇制論・歴史教育論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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