出版社内容情報
小石川後楽園、浜離宮等の名園では、どのような社交が繰り広げられていたか。競って造られた庭園の姿に迫りヨーロッパの宮殿とも比較。解説 尼崎博正
内容説明
小石川後楽園、六義園、浜離宮等、大名家が誇った名園はどのように造られ、そこではどのような社交や饗宴が催されていたのだろうか。自然の地形や植生の利用、潮入りの池のような大泉水、回遊様式など、日本庭園の魅力的な特徴を備えた大名庭園。そこを舞台に繰り広げられた茶事から趣向をこらした酒宴など多様な遊興と社交に、本書は注目する。大名庭園は京の公家文化と武家社会をつなぎ、当時の芸能、芸術全体を取り込んで成立したことが明らかになる。西洋の宮殿庭園とも機能を比較する他に類をみない文化史。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
T.Matsumoto
3
京都中心の日本庭園史に、あえて大名庭園をテーマに選んだ意欲作。庭園自体の美学的な解釈ではなく、使われ方に着目しているのがポイント。日本各地の有名庭園が大名庭園であったこと、大名や将軍、主従の「饗宴と遊びの場」であったこと、体制転換と共に数多くが失われたことなど、様々なストーリーがある一方で、庭園の構成や、作庭思想への言及は少ない。都市との結びつきや、大名庭園から公園に転換していくドラマ、考古学的考察など、伸び代のあるテーマですが難しいのも分かります。やっぱり庭園は、京都がいいかな。2020/09/29
Tsuki-Natsu
0
非常に良い2021/05/06