出版社内容情報
広間での雑居から個室住まいへ。回し食いから個々人用食器の成立へ。多様なかたちで起った「空間の分節化」を通覧し、近代人の意識の発生をみる。
イーフー・トゥアン[イーフートゥアン]
著・文・その他
阿部 一[アベ ハジメ]
翻訳
内容説明
人間と環境の関係を追い続ける地理学者トゥアン。本書では、個人の自由を求めつつ共同体にあこがれてきた人間による、“空間の分節化と再統合”の過程を追う。大騒ぎの食卓から用途別の食器とテーブルマナーが確立した食事へ、広間での雑居から個室への引きこもりへ、観客と役者が一体化した劇から純粋に見る劇へ―豊富な事例で浮かびあがるのは、ヨーロッパ近代における個人意識の発生だ。中国等の事例に照らし、「部分」に目をこらしつつ「全体」を求める「自己」は、一地域の歴史的産物であることを解明。人間社会を、空間の分節と統合という二つの運動の均衡状態として読み直す。
目次
全体(分節化・意識・自己;結合体)
部分(飲食とマナー;家屋と家庭;劇場と社会;環境と視覚)
自己(自己;自己と再構成された全体)
著者等紹介
トゥアン,イーフー[トゥアン,イーフー] [Tuan,Yi‐Fu]
段義孚。1930年中国で生れる。中国系アメリカ人。オックスフォード大学で修士号、カリフォルニア大学バークレー校で博士号取得。現在、ウィスコンシン大学マディソン校名誉教授。70年代に現象学的地理学の旗手として颯爽と登場し、今日では、世界的な第一人者として知られている
阿部一[アベハジメ]
1961年生れ。東洋学園大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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