出版社内容情報
罪・死・救済を巡る人間ドラマを圧倒的なスケールで描いたバッハの傑作。テキストと音楽の両面から、秘められたメッセージを読み解く記念碑的名著。
内容説明
荘厳な響きと、雄大な構想により、西洋音楽の歴史において圧倒的な存在感を誇ってきた“マタイ受難曲”。イエスの捕縛から十字架刑、そして復活までの物語を描いたこの作品には、罪を、死を、犠牲を、救済をめぐる人間のドラマがあり、音楽としての価値を超えて、存在そのものの深みに迫ってゆく力がある。いまなお演奏ごとに、そして鑑賞のごとに新たなメッセージが発見され続ける、すぐれて現代的なテーマを秘めている。バッハ研究の第一人者が、バッハの手書き譜や所蔵していた神学書など膨大な資料を渉猟し、ひとつひとつの曲を緻密に分析して本国での演奏にまで影響を与えた古典的名著。
目次
序論(受難と受難曲の歴史―バッハまで;“マタイ受難曲”の資料と作曲年代;ピカンダーによる自由詩;歌詞のルーツを探って;受け継がれるコラールの伝統)
本論(花婿が、小羊のように―冒頭合唱曲の世界“第1曲”;受難の預言“第2曲‐第4曲b”;香油を注ぐ女“第4曲c‐第6曲”;血を流すイエスの心“第7曲‐第8曲”;最後の晩餐“第9曲a‐第13曲”;オリーブ山にて“第14曲‐第17曲”;ゲツセマネの園の苦悩“第18曲‐第26曲”;捕縛“第26曲‐第29曲”;イエスを探す美女“第30曲‐第37曲”;明暗を分けた悔い改め“第38曲‐第42曲”;流れ下る愛“第43曲‐第49曲”;血にまみれた十字架“第50曲a‐第58曲e”;イエスの死“第59曲‐第63曲b”;おのが心への埋葬“第63曲c‐第68曲”)
著者等紹介
礒山雅[イソヤマタダシ]
1946‐2018年。音楽学者。東京大学文学部および、同大学院修士・博士課程で、美学藝術学を学ぶ。学術博士(国際基督教大学)。国立音楽大学教授を経て、同音楽研究所所長、2006年日本音楽学会会長、サントリー芸術財団理事、いずみホール音楽ディレクターなどを歴任。1988年バッハの研究により辻荘一賞受賞、本書で京都音楽賞・研究部門賞受賞。2018年度、第31回ミュージック・ペンクラブ音楽賞研究・評論部門受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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