出版社内容情報
日常会話から文学作品まで、私たちの言語表現を豊かに彩る比喩。それが生まれるプロセスや上手な使い方を身近な実例とともに平明に説く。
内容説明
「人生を駆け抜ける」「期待の星」「胸さわぎ」「頭痛の種」―文学から日常表現まで、メタファーは私たちの言語を生き生きと彩っている。その最大の強みは、抽象的でわかりにくい事柄を、より具体的でわかりやすい対象に見立てて説明する力である。本書では、身体の一部を用いた比喩、「上・下」、「内・外」などの空間概念を用いた表現など、メタファーを分類・解説し、その成り立ちから効果的な活用法まで、身近な実例を用いて平明に説く。本当に「伝わる」豊かな文章表現へと導く、最良の手引き。
目次
ことばは誰のものか
1 比喩のはじまり(ことばと物;分けて分かる;形の比喩)
2 空間の中で(内外の比喩;上下の比喩;中心と周辺の比喩)
3 ことばの横すべり(隣接の世界;ことばの経済;隣接のパタン)
4 動きの中で(旅することば;起点と着点;時間のことば;比喩は人とともに)
5 メタファーの現在(二五〇〇年比喩の旅;村上春樹とメタファーの世界)
著者等紹介
瀬戸賢一[セトケンイチ]
1951年生まれ。佛教大学文学部教授。大阪市立大学名誉教授。専門は、英語学・レトリック(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
そんれい
13
ことばの本質に根ざす比喩。「考えがまとまる」「上司、部下」「電話をとる」など、知らずに比喩を使ってた。😅終章は、紀元前から現代までの比喩の歴史が語られ、最後は『騎士団長殺し』のメタファーで締めくくられる。上手に使えたら最高だろうな✨2019/11/27
Arisaku_0225
10
メタファーて聞くと、小難しい文学の世界だったり芸術作品だったりが思い浮かんだが、実際、メタファーは我々の日常生活に「溶け込んでいる」。それはあまりにも当たり前に使っているために、知覚できていなかったのだ。本書はメタファーとそれを支持することばについて丁寧に解説する。「ことば」は自己中心的であり、自民族中心的であり、人間中心的であるために、人間同士(コミュニティ)で伝わりやすい会話表現を用いる。その中でメタファー(比喩)は、新しい認識を、できるだけ正確に伝達できるようにした言葉遣いとして存在し続けてきた。2025/03/28
peeping hole
3
ずっと覚醒させられるような、全文写経したいような刺激的な本だった。悔しい!もっと早く読みたかった。最良の村上春樹論で締められる。著者の本を思わず全部買った。「時間、それ自体比喩である」。"手首"の話からルネユイグまで。空間→身体へ。ノートにして読み返さないと漏れ出ちゃいそうな情報量。この授業受けたかったと心の底から。2021/02/17
桃山
2
メタファーって言葉の響きが好きで、たま〜にこの分野の本が読みたくなるんですよね。言語学の先生が織りなす言葉遊びの数々はとても心地よく、読んでいて、言語の海を冒険しているとでも言うかのようなワクワク感がたまりません。2017/12/16
os
2
メタファーについて…えーと…猿のようにわかりました!!2017/09/19
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- 和書
- 人生は片々たる歌の場所