出版社内容情報
中世ヨーロッパに生じた産業革命にも比する大転換――。名もなき人びとの暮らしを丹念に辿り、その全体像を描き出す。大佛次郎賞受賞。解説_樺山紘一
内容説明
かつてヨーロッパ史において、中世は文化的にも経済的にも停滞した「暗黒時代」だと見なされてきた。そうした通俗的理解に対し、著者は、実はこの時代に後の産業革命にも匹敵するような大転換が生じていたことを、庶民や賎民の視点から丹念に描き出してみせた。貨幣経済の浸透は、人と人との関係を根底からくつがえし、人びとの日常生活や社会構造、さらには倫理や世界観をも大きく組み換えていく。ドイツ・ニュルンベルクを舞台に、民衆たちの生活世界をたどることで、そのダイナミクスを浮き彫りにする阿部史学の白眉。大佛次郎賞受賞。
目次
第1章 聖と俗の間―中世都市(市民の暮らし;貨幣の役割;つきあいの形)
第2章 職人絵の世界(一二人兄弟の館;靴職人の世界;衣服のタブー;石と鉄―呪術的世界)
第3章 人と人を結ぶもの(仮面の祭り;飛脚;子供の遊び)
第4章 原点への旅(十一世紀の大転換;贈物で結ばれた世界;女性と異端;時代のはざまで―ユダヤ人)
第5章 ふたたび町へ(聖性の喪失;音で結ばれた世界)
著者等紹介
阿部謹也[アベキンヤ]
1935年、東京に生まれる。1963年、一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了。小樽商科大学教授、一橋大学教授、一橋大学学長、共立女子大学学長などを歴任。2006年9月没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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