出版社内容情報
侵略を正当化するレトリックか、それとも真の共存共栄をめざした理想か。アジア主義を外交史的観点から再考し、その今日的意義を問う。増補決定版。
井上 寿一[イノウエ トシカズ]
内容説明
緊張が続く日本と東アジアに、どんな共存のあり方を描くことができるのか。その手掛かりとなるのがアジア主義だ。本書では、満州事変から日中戦争への流れを、欧米協調とアジア主義との相克という外交史的観点から辿りなおす。そこで明らかになるのは、中国との緊張を高めつつ満州国を建設し東亜協同体構想を掲げた当時の日本が、実は対米関係を最重要視していたという意外な事実だ。日本と東アジア、そしてアメリカ―今日まで連なるこの錯綜した関係を解きほぐすために避けては通れないアジア主義の実像に迫る。文庫化に際して、その思想と政策との捩れを問う論考を書き下ろした増補決定版。
目次
第1章 今なぜアジア主義を問いなおすのか
第2章 「アジア主義」外交はどのように形成されたのか
第3章 「東亜モンロー主義」外交とは何だったのか
第4章 侵略しながら連帯する
第5章 なぜ「東亜新秩序」は実現しなかったのか
第6章 歴史の教訓
補論 アジア主義―思想と政策の間
著者等紹介
井上寿一[イノウエトシカズ]
1956年東京都生まれ。一橋大学社会学部卒業。同大学大学院法学研究科博士課程、学習院大学法学部教授などを経て、現在、学習院大学学長。法学博士。専攻は日本政治外交史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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