出版社内容情報
中世に発する武家社会の展開とともに形成された日本型組織。「家(イエ)」を核にした組織特性と派生する諸問題について、日本近世史家が鋭く迫る。
笠谷 和比古[カサヤ カズヒコ]
内容説明
織田信長が端緒を開き、徳川時代に育まれた日本型組織。中世・武家社会発祥の「家(イエ)」を核にもつこの組織形態は、従来のイメージとは裏腹に、指導者の柔軟な意思決定と成員の主体性の発揮を可能にさせることにおいて、世界的にも稀有な水準に達していた。多くの内憂外患に対処してきた事実こそが、その雄弁な証しである。日本型組織が生成・発展し、成熟を経ながら近代化に臨んでいった歴史は、現代の組織人が危機に直面した時、何に着目すべきか示唆するところが大きい。日本近世史研究の第一人者による卓抜な組織論。
目次
1章 武士団の成立と「家」の形成(在地領主制・武士団・「家」の出現;鎌倉幕府と武士領主制の発展;国人一揆から戦国大名へと成長)
2章 織田信長の組織革命(新しい政治理念と軍団編成;超越的専制権力としての信長;専制政治の挫折)
3章 「御家」と「藩」―日本型組織の成立(タテ型組織としての大名家(藩)
主君「押込」の慣行
大名家(藩)の権力構造)
4章 日本型組織におけるリーダー像(徳川吉宗と享保改革;上杉鷹山と米沢藩の藩政改革)
5章 近代化に果たした役割(日本型組織の自生的な近代化;日本型組織の状況適応能力)
著者等紹介
笠谷和比古[カサヤカズヒコ]
1949年神戸市生まれ。1973年3月京都大学文学部史学科卒業。1978年3月京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得。国際日本文化研究センター研究部教授を経て、同名誉教授。専門は歴史学・武家社会論。博士(文学、京都大学)。著書『主君「押込」の構造』(講談社学術文庫、1988年度サントリー学芸賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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