出版社内容情報
仏教が世界宗教としての地位を得たのは大乗仏教においてである。重要経典・般若経の成立など諸考察を収めた本書は、仏教への格好の入門書となろう。
三枝 充悳[サイグサ ミツヨシ]
内容説明
幅広く衆生の救済を目指す大乗仏教運動は、西暦紀元前後にインドで胎動し始め、東アジアを覆うほどの伝播をなして今日に至る。「釈尊の初期仏教に立ち返れ」と説く般若経を先駆経典とし、その中心思想「空」はナーガールジュナ(龍樹)によって基礎づけられた。「大乗諸仏と私」「大乗の展開」「大乗の諸相」の三部からなる本書は、「菩薩」という言葉の来歴、空の考え方、経典成立の問題など、大乗の諸側面に迫った、仏教学の泰斗最後の論考集である。仏教入門としてもまたとない書。
目次
1 大乗諸仏と私(観音・観世音の心;極楽浄土へ;経典をめぐって;ほとけたち)
2 大乗の展開(世界思想における仏教;般若経―空の世界;般若波羅蜜をめぐって;禅を知るための序章)
3 大乗の諸相(経の定義・成立・教理;ボサツ;ハラミツ、六ハラミツ;般若経の成立)
著者等紹介
三枝充悳[サイグサミツヨシ]
1923‐2010年。静岡市出身。東京大学文学部哲学科卒業後、ミュンヘン大学に留学、Ph.D.を受ける。筑波大学教授、日本大学教授などを歴任。筑波大学名誉教授。専攻は宗教哲学・仏教学・比較思想。文学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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