ちくま学芸文庫
ファインマンさん最後の授業

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 240p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480096906
  • NDC分類 289.3
  • Cコード C0142

出版社内容情報

科学の魅力とは何か? 創造とは、そして死とは? 老境を迎えた大物理学者との会話をもとに書かれた、珠玉のノンフィクション。解説 山本貴光

内容説明

「僕は昔から、一番難しい問題が好きなんだ…そうやって自分を過大評価して、自分を夢中にさせるんだ」。ファインマンの語る言葉はいつだって魅力的。それは、彼が科学も人生もとことん楽しんでいたからだ。名門研究所にホープとして招かれ、ファインマンの同僚となった若き日の著者もまた虜になった。物理学に自分の居場所を見つけられずにいたムロディナウ。そんな彼を時に悩ませ、そして最後に勇気を与えたファインマンの言葉とは。「クォーク」の名付け親マレー・ゲルマンや、ひも理論の立役者ジョン・シュワルツなど一級の物理学者たちの様子も生き生きと描きだす珠玉のノンフィクション。

目次

おとなりは、ファインマンさん―ガンと闘うノーベル賞受賞者
ファインマンとの出会い―イスラエルの小さな図書館にて
カルテクへの招待―僕はフリーエージェント
電子的なふるまい―バビロニア人タイプVSギリシャ人タイプ
知恵くらべ―「サルにできるなら、君にもできる」
科学の探偵―誰がシャーロック・ホームズになれるのか?
物理とストリップ―「強い力」から逃れろ!
想像の翼―ファインマンは、いつだってインコースを走る
世界を変えるひも―目には見えない六つの次元
空腹の方程式を解く―結婚披露宴には平服で〔ほか〕

著者等紹介

ムロディナウ,レナード[ムロディナウ,レナード] [Mlodinow,Leonard]
1954年、ユダヤ人の両親のもとに生まれる。カリフォルニア大学バークレー校で博士号取得。カリフォルニア工科大学特別研究員、アレクサンダー・フォン・フンボルト財団招聘研究員等を経て脚本家に転身

安平文子[ヤスヒラフミコ]
翻訳家。東京外国語大学ロシア語学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

赤い熊熊

10
ファインマンとゲルマンは同僚だったのか。「ファインマン最後の授業」というより、著者ムロディナウが若き頃、ファインマンを始めとする物理学者たちとどんな話をしてきたかという感じの本。ムロディナウの自伝を通してファインマンが見えるといったところ。なので、ファインマンの講義が読めると思って買ったら、肩透かしを食らいます。邦訳タイトルはちょっとまずいかなと思われる。それでもファインマンの言葉は随所にあるので、悪くはない。2018/07/06

roughfractus02

8
原題はFeynman's Rainbow。本書は虹のように読者の見方次第で色の解釈が異なる物語構成に見える。まずカルテクのエリート集団に研究員として所属し葛藤する著者は、彼に関わったパートン模型で量子を考えるファインマン、クオーク理論のゲルマン、超弦理論のシュワルツを対照的に描く。他方、表題にあるファインマンに焦点を当てると、パートン模型とクオークが同じ理論内にあると理解し、晩年には当初否定していた超弦理論のレクチャーをゲルマンから受けるファインマンがいる。学び続ける物理学者には物理学自身が虹なのだろう。2019/12/22

人工知能

7
著者がカルテクに研究員として赴任したときに、そこには晩年のファインマンとマレー・ゲルマンがいた。著者が超優秀な研究者に囲まれて、自信を失って何を研究すればよいか迷っているときに勇気を出してファインマンの研究室のドアをたたく。正直、大学院時代にこれを読んでいたらすごくグッときてたと思う。「君は時間を無駄にしたな。物事を発見する方法は、本を読んで学べるようなもんじゃないよ。」2016/10/11

Ujiro21

4
面白かった。為になった。そんな類の感想持たなかった。ただ、世界的な基礎物理の研究の世界を垣間見ることが出来て幸せな時間を過ごせた。読んでいて、そんな気持ちになった。理工系の研究を経験したことのある人なら、皆お世話になるであろう、研究室の教授、助手、ドクターの方々。改めて尊敬の念を抱いた。ファインマンの名前がタイトルにあり、ファインマンさんシリーズを期待せずにはいられなかった。でも、それ以上に大人な本だった。2016/12/11

zoros

3
『デカルトが虹を数学的に分析しようと思ったのは、その美しさの為だとファインマンは考えた。そして量子の世界はとてつもなく不思議だ。物理学の世界はそんなにもスケールが大きくその前では私個人の問題などあまりに小さかった。先生が教えてくれたのはこれだ。「必死でやってる、それがなんであれ打ち込むことに価値がある」』2023/05/12

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/9809833
  • ご注意事項

最近チェックした商品