出版社内容情報
日本人の美意識の底流にある「いき」という概念。九鬼周造の名著『「いき」の構造』を素材に、二人の碩学が軽やかに解きほぐしていく。解説 井上俊
内容説明
1930年の刊行以来、今日にいたるまで版を重ねる九鬼周造の『「いき」の構造』。「いき」という美意識の世界を哲学の言葉で分解し、直六面体の図形を用いて説明する面白さが、いまなお読者をひきつけるのだろう。本書はその名著を、日本文化に造詣の深い安田・多田の碩学二人が、遺された草稿や創作ノートを手がかりに、九鬼が前提としたであろう具体例を挙げて読み解く、という大胆な試み。『「いき」の構造』本文と対に引かれる春信の浮世絵や歌舞伎「お富与三郎」「篭釣瓶」「娘道成寺」の場面、落語「祇園祭」「首提灯」「棒鱈」のセリフ等々が、「いき」とは何かを、雄弁に語る。
目次
はじめに―浮かみもやらぬ流れのうき身
序説―色香に迷う
「いき」の内包的構造―垢抜して張のある色っぽさ
「いき」の外延的構造―趣味の幾何学
「いき」の自然的表現―「苦界」の女
「いき」の芸術的表現―模様・建築・音楽
結論―民族的存在の解釈学
著者等紹介
安田武[ヤスダタケシ]
1922‐86年、東京生まれ。思想家。法政大学在学中に学徒出陣。ソ連軍との戦闘を経て復員後、大学を中退。「わだつみ会」の再建に尽力し、1964‐66年には思想の科学研究会会長をつとめた
多田道太郎[タダミチタロウ]
1924‐2007年。京都生まれ。フランス文学者。現代風俗研究会会長、京都大学教授、明治学院大学教授などをつとめた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
弥勒
さや
bouhito
Tom