出版社内容情報
二度の大戦を引き起こした近代市場社会の問題点をえぐり出し、真の平和に寄与する社会科学の構築を目指す。ポランニー思想の全てが分かる論考集。
内容説明
本書は、ながく公刊が待たれていた近代ヨーロッパ批判「新しい西洋のために」を冒頭に収めるカール・ポランニーの未発表論考集である。初期のファシズム研究から、中期『大転換』の市場社会批判を経て、後期「経済人類学」構想へと至る、ポランニー思想のすべてが網羅されている。ポランニーによれば、本来「商品」とはなりえない労働力や土地を商品化したことが、大恐慌をはじめとする市場社会の崩壊を引き起こし、その対処策としてとられた政策がファシズムの擡頭と二度の世界大戦を招いた。歴史学、経済学、人類学の浩瀚な知識をもとに、近代社会の病巣に迫った偉大な思想家の仕事を読む。
目次
第1部 経済、技術そして自由の問題(新しい西洋のために;経済学とわれわれの社会的運命を形成する自由 ほか)
第2部 制度について(制度分析は、いかに社会科学に貢献するか;国際理解の本質 ほか)
第3部 社会科学をいかに用いるのか(社会科学をいかに用いるのか;政治理論について ほか)
第4部 危機と転換(今、何が求められているのか―ひとつの応答;近代社会における哲学の衝突 ほか)
著者等紹介
ポランニー,カール[ポランニー,カール] [Polanyi,Karl]
1886‐1964年。ハンガリーに生まれ、第2次大戦後は主にアメリカで活躍した経済思想家。歴史学、経済学、人類学等の浩瀚な知識をもとに、近代市場経済の特殊性を明らかにし、注目を集めた
福田邦夫[フクダクニオ]
明治大学名誉教授。経済学博士。国際貿易論
池田昭光[イケダアキミツ]
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所ジュニア・フェロー。人類学
東風谷太一[コチヤタイチ]
東京外国語大学大学院総合国際学研究科博士後期課程。歴史学
佐久間寛[サクマユタカ]
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所助教。文化人類学、経済学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
遊動する旧石器人
YN
在我壷中