出版社内容情報
自分の頭で考えることはなぜ難しく、どうすればその困難を克服できるのか。近代を代表する思想家が、誰にでも実践可能な道筋を具体的に伝授する。
内容説明
名誉革命後の混乱と喧噪のなかで、人間の自由と自主独立について徹底的に思考し、新たな論理学に基づいた知性のあり方を探究したロック。彼は、知性は誰にでも平等に備わっており、訓練や努力を重ねることで改善できるはずだ、と言う。近代の代表的思想家が伝授する、自分の頭で考えるための実践的メソッド。
目次
はじめに
才能
推論
練習と習慣
観念
原理
数学
宗教
偏見
不偏不党性〔ほか〕
著者等紹介
ロック,ジョン[ロック,ジョン] [Locke,John]
1632‐1704年。イングランド西南部リントン生まれ。オックスフォード大学で修辞学、論理学などを学び、新しい実験科学や医学に関心を示した。シャフツベリ伯爵の秘書となるが、伯爵の失脚にともない、オランダへ亡命。名誉革命後に帰国した。『人間知性論』で近代認識論の基礎を築き、『統治二論』と『寛容についての書簡』で近代自由主義の諸原理を定式化した
下川潔[シモカワキヨシ]
1953年福岡県生まれ。一橋大学経済学部卒業。英国グラスゴー大学でPh.D.を取得。専攻はイギリス哲学。現在、学習院大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
29
底本1706年(008頁)。小さな地域に世界中のあらゆる良いものがある:探究の制約を越えて外を見ようとしない(023頁)。一長一短か。人間は、慣れと訓練だけで知性の改善や拡大を達成できる(043頁~)。知性の自由は理性的被造物にとって必要であり、それなくしては知性は真の 知性ではない(064頁~)。教育の役割:将来本人が自分の人生で知識のどの部分に専念し、どの部分が必要になっても、達成できるだけの自由と性向と習慣を学習者の心に備えておくこと(067頁)。 2015/06/11
テツ
18
ぼく自身が知性的でない人間なのは百も承知で、それを棚に上げての発言だけれど、今まで生きてきた経験上やはり人間には知性が必要だと強く感じる。人としての美しさ(一般的に美しいとされるモノゴト)を判断したり、良い意味での損得勘定などはまともな知性の上にしか構築されない。全てにおいて好き嫌いや自分自身の感情ではなく、知性を頼りにして判断すること。より良く生きるためにはどうしたらいいのか常に考え続けること。なるほど昨今の反知性主義とラベリングされる方々には欠けていることばかりだと関心する。自分を気をつけていたい。2022/01/23
くらすけ
8
この本は読書を通じて、勉強したいと思うすべての人に進めたい本です。何故かと言うと『統治ニ論』などで有名なジョン、ロックの読書術が書いてあるからです。アイディアや仮説を検証する際に必要な姿勢、考え方についてが本書のテーマですが、その中で読書を扱う節があります。本を選ぶ際にあるテーマについて賛成の著者と反対の著者の本を織り交ぜて勉強すると言う人は多いと思います。ロックは単に異なるの主張を覚えるのではなく、そのアイディアはいつ有効なのか、或いは他のアイディアとのつながりを観察するべきだと述べています 2021/03/11
Ex libris 毒餃子
4
そのとおり、と思うことが多かったが、それを近世にまとめあげたことがすごいのだろう。2019/10/05
スズツキ
3
ロック先生のありがたいお言葉。これを10倍に薄めたのが、PHP新書あたりの自己啓発になる。2015/09/23