出版社内容情報
音楽史から常にはみ出た異端者として扱われてきたサティとは何者? 時にユーモラス、時にシニカルなエッセイ・詩を精選。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
58
エリック・サティのことを「サティおじさん」と呼びたくなるようなチャーミングなエッセイ。何気ない日常を色彩とメロディと良い匂いでほわわんと語りながらも毒舌炸裂。特に動物への愛情深さに対し、音楽の精神性(アウラ)を型に嵌めこむとする音楽界やワグナー・批評家第一主義への批判の冷ややかさはクスリと笑ってしまいます。2015/01/09
壱萬参仟縁
38
1992年初出。芸術家は夢想家にすぎない。批評家は現実の意識を、自分自身の意識をもっている(018頁)。進歩はつねに激しい敵対にあう(062頁)。人は貧しい生活を平然と醜いものにしていっていいものだろうか?(109頁)いけないと思いますよ。本屋には逍遥(ぶらつき)の殿堂といえるようなところがある(111頁)。確かに。無目的に適当な本を手に取り、多少捲ってみる。お金にはどうして匂いがないのだろう。何でも手にはいるものなのに。2016/06/06
もよ
14
「メドゥーサの罠」を読んだほかは拾い読みなので読んだとは言えないかも。 「メドゥーサの罠」は台本を読みながら、音楽を一緒に聴くと、間奏曲的な音楽と不条理な台本が、一見関係ないのになんだか関係ありそうでとてもよかった。2016/03/27
ラウリスタ~
13
詩人かと思えば、音楽家で、現代音楽家かと思えば実は19世紀末〜20世紀初頭の人で、と、何読んでるか分からないような本。劇なんかも含まれているから、文学的な傾向が強かったことは確かだろう。ただ、題名の通りに軽やかに流れ去るエッセイのような文章なので、サティの音楽について全くの無知である僕にはなんのことやら。2014/12/08
きゅー
7
サティのジムノペディに理解が及ばないように、本書の内容も頭に入ってこなかった。タイトルにもあるけれど、こういった軽やかさというのは意外に難しい。受けた印象としては、自分の本当の姿を表に出そうとせず、諧謔のマントで身を隠そうとしているイメージ。その奥が見通せない。 2024/06/21
-
- 和書
- 天空の企て