内容説明
ポリアの『いかにして問題をとくか』の影響を受けつつ、それよりも体系的に問題解決の理論を解説。著者は実際に本書の方法をマサチューセッツ工科大学の学生に実践させ、問題解決能力を大いに向上させたという。書きぶりは懇切丁寧で、初等的な数学の問題やパズルを解きながら、著者が小出しにするヒントをもとに、読者がみずから考えることのできるよう書かれている。数学力・論理的思考力を鍛えるための必読書!
目次
1 緒言
2 問題の理論
3 推理
4 行動系列の分類
5 状態評価と山登り法
6 サブゴール
7 矛盾の方法
8 逆に考える
9 問題の間の関係
著者等紹介
ウィケルグレン,ウェイン・A.[ウィケルグレン,ウェインA.] [Wickelgren,Wayne A.]
1938‐2005年。アメリカの認知心理学者。マサチューセッツ工科大学、オレゴン大学、コロンビア大学で教鞭を執った
矢野健太郎[ヤノケンタロウ]
1912‐1993年。東京生まれの数学者。東京帝国大学理学部数学科卒業。東京工業大学名誉教授。プリンストン高等研究所留学中にアインシュタインの薫陶を受けた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
20
頭の体操のような問題が結構収められています。分野としてはパズルのようなものもありますが、数学が多いと感じました。結構歯ごたえのある問題も多く手で書いて解いていかないとダメな問題もあります。2014/10/11
壱萬参仟縁
17
1974年初出。邦訳は80年初出。ゴシ太箇所によると、外示的、内含的に示された情報から、1つまたは両方を満たす推理を行うこと。⒜それらは過去おなじタイプの情報からなされた。⒝推論は、ゴール、所与、またはゴールと所与からの推理のなかに現れる変数、言葉、表現に関するもの(049頁)。166頁のように、ゴールへの正しい道(行動系列)の上に1つのサブゴールを定義することが、研究を縮小できる。 2014/10/01
hanagon44
9
研修で紹介された本。紹介されるにはそれだけの意味があるものなんだと実感。問題を解くときの”空白の”時間は,むず痒いけれど頭がフル回転してなんだかワクワクしている時間でもあり,解けた時は充実感すら感じるけれど,それが苦手につながるタイプの人が理数系離れの今は多いのだろう。お手軽でインスタントに結果を求める風潮が強まる中,人工知能と思考の計算機シミュレーションの領域からのアプローチで分類し,組織化した”一般的問題解決の方法”は,考える力をつけるための指導に確かに役立つものだろう。目からウロコであった。2015/11/10
ykoro
4
久々に頭の体操をした感じ。解説を読まなくても、自然に対応できてほとんどの問題が解けた。2014/08/17
Mark X Japan
2
数学の知識を必要としない良問が多いです。それらを解くことで、問題を解くことへの根本的な考え方の理解を深められます。著者の専門上仕方がないのかも知れませんが、文章が哲学的です。文体に慣れるまでは、少し敷居が高く感じました。☆:4.02014/10/13