出版社内容情報
占領という外圧によりもたらされた言論の自由は、結局外圧によって葬り去られることを明らかにする、ジャーナリズムの記念碑的名著。
内容説明
『アメリカ様』は東京裁判の開廷日1946年5月3日に刊行された。戦争にひた走った政府や無批判に隷従していった人々を痛烈に断罪しつつ、自らを「半米人」と名乗り、アメリカを褒め殺すことで、新たな主人にしっぽを振りはじめた日本人の姿を皮肉る。入獄4回、罰金・発禁29回という輝かしい記録を持つ外骨は、本書でGHQによる検閲・削除命令を受け、日米両政府からのダブル弾圧という栄誉に浴した。巻末に弾圧を受けたジャーナリストたちの記録を外骨が綴った『改訂増補筆禍史』を抄録。
目次
例言
序
侵略主義でない平和理想国の日本
支那は我日本の恩国である
日本国民が感謝すべきアメリカ様
日米親善関係の絵葉書概目
亡国の基と題する絵葉書帖
軍人政治の害を説いた福地桜痴
奴隷根性を罵った民主的学者
戦争犯罪人たる禅宗坊主等〔ほか〕
著者等紹介
宮武外骨[ミヤタケガイコツ]
慶応3(1867)年讃岐生まれ。明治から昭和にかけて活躍した反骨のジャーナリスト。明治22年に発行した「頓智協会雑誌」に帝国憲法のパロディを掲載して不敬罪で入獄3年。以降「滑稽新聞」「此花」「筆禍史」「猥褻研究会雑誌」「スコブル」「赤」「変態知識」「面白半分」などの新聞・雑誌・書籍を次々と発行。生涯に刊行した出版物は1000点近い。奇抜な表現と方法で権力を揶楡し続け、入獄4回、罰金、発禁などの筆禍29回。晩年は東大法学部内に明治新聞雑誌文庫を創設、その蒐集と保存に尽力した。1955年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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