内容説明
青年運動での高揚と挫折、第一次世界大戦とその後の大インフレーションによる困窮、ナチスの台頭と亡命、そして第二次世界大戦という死への坂道―混迷と変転のなかで、ひとりの思考者の“私”が、もがきながら、超“私”的問題連関をリトマス試験紙として、位置測定と方向確認を繰り返し試み続ける、その足跡。数々の“私”記、対話篇、“教育”問題への言及、時代/政治/文学/科学/歴史をめぐる考察群。それらを、「“私”と超“私”の相克と相互浸透」という視点から読み解くときに浮かびあがってくる、批評家ベンヤミンの新たな相貌!新編・新訳アンソロジーの第7弾となる最終巻。
目次
“私”の位置
“私”記
対話篇
学校改革・教育
超“私”記
著者等紹介
ベンヤミン,ヴァルター[ベンヤミン,ヴァルター] [Benjamin,Walter]
1892(Berlin)~1940年(Port‐Bou)。20世紀ドイツの最も異彩を放つ思想家・批評家。きわめて緻密で繊細な文体をもつ卓越した文章家。青年運動の只中で思想形成期を迎え、ユダヤ神秘主義、観念論的弁証法、マルクス主義的歴史哲学等の影響を受ける。激動の時代状況とアクチュアルにまたラディカルに切り結びながら、同時に近代もしくはモデルネの原史(Urgeschichte)を見据え続けた。亡命行の途上でみずから命を絶った
浅井健二郎[アサイケンジロウ]
1945年生まれ。東京大学大学院修士課程修了。現在、東京大学名誉教授。専攻、ドイツ文学
土合文夫[ドアイフミオ]
1950年生まれ。東京大学大学院修士課程修了。現在、東京女子大学現代教養学部教授。専攻、ドイツ文学
久保哲司[クボテツジ]
1957年生まれ。東京大学大学院修士課程修了。現在、一橋大学社会学研究科教授。専攻、ドイツ文学
内村博信[ウチムラヒロノブ]
1958年生まれ。東京大学大学院修士課程修了。現在、千葉大学法政経学部教授。専攻、ドイツ文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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ラウリスタ~
Historian
呑芙庵
roughfractus02