ちくま学芸文庫
哲学ファンタジー―パズル・パラドックス・ロジック

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 333p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480095572
  • NDC分類 104
  • Cコード C0110

出版社内容情報

論理学の鬼才が、軽妙な語り口ながら、切れ味抜群の思考法で哲学から倫理学まで広く論じた対話篇。哲学することの魅力を堪能しつつ、思考を鍛える!

内容説明

論理学の鬼才が、対話形式の軽妙な語り口で、哲学の究極のなぞに挑む。この世界ははたして本当に現実なのか?ひょっとすると私たちは夢を見ているだけなのではないか?心と身体はどういう関係にあるのか?認識するとは、信じるとはどういうことなのか―考えれば考えるほど不思議な哲学の問題から、生と死といった倫理問題まで徹底的に鋭く切り込む!論理学・哲学の基礎用語や人物を丁寧に解説した便利な訳註とともに読めば、予備知識ゼロでも自力で高度な思考を展開できるようになること間違いなし。哲学することの魅力とスリルを存分に味わえる、極上の思考実験集。

目次

第1部 あなたはなぜ正直なのか(あなたはなぜ正直なのか;あるパズル)
第2部 一般的な概念(さまざまな断片;ある論争)
第3部 三つのファンタジー(シンプリカスと木―郊外でのシンポジウム;認識論的な悪夢;心身問題のファンタジー)
第4部 生きるべきか死すべきか(生きるべきか死すべきか;生と死の禅;そこに何があるのか)
第5部 結末のファンタジー(夢か現実か;悟りを開いた唯我論;紀元前五千年)

著者等紹介

スマリヤン,レイモンド[スマリヤン,レイモンド] [Smullyan,Raymond]
1919年生まれ。ダートマス大学、プリンストン大学、ニューヨーク市立大学での教職を経て、インディアナ大学哲学科名誉教授。専門の論理学、哲学、数学に加えて、ピアニスト、マジシャン、ユーモア作家としての活動など、多面的な才能で知られる

高橋昌一郎[タカハシショウイチロウ]
1959年生まれ。國學院大學文学部教授。専門は、論理学・哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヒダン

6
スマリヤンによるロジックとパラドックスと哲学の境界線上にあるような話題が13章書かれている。自分としては第4部の死生観が最も興味深いトピックだった。魂の不死や輪廻転生という考えには『私たちが心理的には信じられない何かを無理やり自分に信じさせようとしているところに本当の問題がある』という主張から個人的な見解へ展開していく辺りが特に面白い。私が時間の中に存在すると仮定したときに、肉体の死によって時間は止まってしまうのか、『死後の私』という言葉は意味を持つのかなどいろいろと考えを巡らせたくなった。2014/02/08

taro335

6
正直なところ、論理パズルやパラドックスなんかは苦手だったが(向いてないのかも…)、ショウペン・ハウアー批判や荘子の引用など局所的に大興奮。しかし、こんな複雑な文を翻訳できる訳者に拍手。限界シリーズの原点なのがよくわかります。2013/08/06

EnJoeToh

4
懐かしい。2013/07/25

Hayek

3
★★☆☆☆生まれつき親切で思いやりのある人間と、そうする事が正しいと信じて自分を自制する人間。前者は神の恩寵を受ける人間で、後者はより神の救済を受ける価値のある人間。なぜ地球は下に落ちないのか?の質問に意味は無い。それは「下に」という言葉に絶対的な意味が無いからだ。2015/09/15

東田正平

2
スマリヤンは論理学の大家。本書は、哲学を題材にフィックションを書いたようなもので、今ではそんなに目新しくもないけど、本書は1984年に刊行されたものなので、その先駆けと言えるだろうか。 まず、なぜ正直なのかという問いを通して、倫理における様々な立場を紹介する。それからの展開は特にまとまりはないが、認識論、神の存在論、唯我論、現実への懐疑論などをテーマに、道徳家や懐疑論者などのキャラが議論をくりひろげる。 随所に著者の遊びが見られて楽しい。これだけ高度に観念的なお遊びも珍しいが。 2015/09/22

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/6954268
  • ご注意事項