ちくま学芸文庫<br> 柳田国男を読む

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柳田国男を読む

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  • サイズ 文庫判/ページ数 314p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480095466
  • NDC分類 380.1
  • Cコード C0139

出版社内容情報

稲作・常民・祖霊のいわゆる「柳田民俗学」の向こう側にこそ、その思想の豊かさと可能性があった。テクストを徹底的に読み込んだ、柳田論の決定版。

内容説明

日本民俗学の祖、柳田国男。しかし、稲作・常民・祖霊に代表される「一国民俗学」は、果たして柳田の真の到達点なのだろうか。そこに至る道のりの中にこそ、未来へと向かう思想の豊かさがあるのではないか。かつて『柳田国男の読み方』で著者は、固定的な従来の解釈を退け、丹念にテクストを掘り進めることによって、柳田の思想の射程と深度に迫る清新な読みを提起した。それから20年近く。繰り返し柳田のテクストに立ち戻り、その本質を問い続けてきた結晶が本書である。『柳田国男の読み方』に加え、著者最初期から現在までの代表的論考4編を収録、柳田思想の可能性を現代に問う。

目次

第1部 柳田国男の読み方(民俗学以前;物語の発見;山の力、そして畏怖;漂泊から定住へ;北の異族、南の同朋;民俗学への出立)
第2部 一国民俗学を越えて―未来への遺産(柳田国男/幻像としての常民;一国民俗学を越えて;『会津物語』は可能か;柳田国男の初志を受け継ぐ)

著者等紹介

赤坂憲雄[アカサカノリオ]
1953年生まれ。東北芸術工科大学教授を経て、学習院大学教授。福島県立博物館館長。東北学を提唱し、99年『東北学』を創刊(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

48
読んでいる最中に、以前新書版で読んだことがあるのに気が付く。それでも民俗学が学問と成立していく上での取捨選択、そして切り捨てられたものがいかに豊穣であったか。というのには再読で改めて教えられた。考えてみれば柳田以降の民俗学で名著と呼ばれるものや個人的に興味を惹かれたものは、その切り捨てられた部分、漂泊であったり怪異であったり、が少なからず関わっているような気もする。後半は日本の多様性であったり、柳田批判に対する批評等。しかし各タイトルに沿って、エピグラフとして提示されている柳田の文章がとても魅力的だなあ。2013/08/25

三柴ゆよし

20
たとえば柄谷行人の出鱈目な柳田本と比べて雲泥の差がある良書。個人的には柳田の思想的変遷を丹念に追っていく前半部が特に(半分以上は復習だが)おもしろかった。漂泊⇨定住という関心の推移を経て、常民の学としての「民俗学」が醸成される過程で、山人、遊行の民、妖怪など、稲作と祖霊信仰の枠組みにおさまりきらない存在が祀り棄てられていく。また後半部では3.11以後の東北に向けて、また世界文学の枠組みのなかで、柳田國男のテクストを解き放っていく可能性が提示される。そろそろ柳田を再読しなければならない時期かもしれない。2020/01/04

壱萬弐仟縁

17
図1他界願望/経世済民をめぐる柳田の思想の流れ(025頁)は、明治から昭和にかけての流れを図式されており、参考になる。Sの字状で、新体詩→農政学→前期(民俗学以前)→後期(民俗学体系化)のようだ。農政学では挫折していたのは知らなかった。評者は農業経済学と文化経済学を天秤にかけてきた経緯がある。前者の限界を後者で乗り越えようとしたが、柳田先生も農政だけでは農村分析は限界があり、もっと庶民の暮らし起点にせねば、と思われたのかもしれない。『郷土研究』は「ルーラル・エコノミー」を主体に(133頁)。子安宣邦氏は→2013/10/02

翔亀

13
正月にお屠蘇を飲みながらのんびりと読んでいたら、とんでもない刺激的な本で姿勢を正してしまった。常民と稲と祖霊の三位一体の単一的な日本人の懐かしくも美しい原風景を示す<民俗学>。しかし、その創始者たる柳田自らが、民俗学成立のためにあえて切り捨てたものがあった。<民俗学以前>の前期柳田の中に読み取る、被征服民族の生き残りとしての山人、アイヌ人との共存の姿、漂白の民が定住した時に定住農耕民がよそものと差別した結果生まれた被差別部落民。まだ尽きせぬ魅力が眠っている柳田を、今、読むことの楽しみが増す。傑作■942014/01/03

マーブル

8
柳田国夫は民俗学の創始者ではあるが、民族学者ではなかった。『遠野物語』のみでは語ることのできぬ柳田の姿。その評価。柳田を自らの「学校である」としながらも、批判すべきところは批判する柳田国夫を知るための良書。  ブームのように高い評価を得ることがあったり、生け贄のような批判の矢面に立つことがあったとしても、「すでに古典である」とあらためてそれらの評価からは距離を置いて柳田の思想を発生的に辿りながら読み直す姿勢は、さまざまな対象を考えて学ぶべきところが大である。 2019/08/02

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