ちくま学芸文庫
建築はどうあるべきか―デモクラシーのアポロン

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  • サイズ 文庫判/ページ数 344p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480095305
  • NDC分類 520.4
  • Cコード C0152

出版社内容情報

美しく心地よい住まいや、調和のとれた街並みを、近代的な工法を用いて作り出そうと試みた、バウハウス初代校長最晩年の講演録。

内容説明

モダンデザインを語る上で欠かすことのできないバウハウス運動。その先頭に立ったのが建築家ヴァルター・グロピウスである。空間の使いやすさ、心地よさ、そして美しさを同時に実現させるにはどうしたらよいのか?街にはどぎついネオンや標識が溢れ、新旧の建築物が無秩序に並ぶ。一歩建物に入れば使い勝手を無視したデザインの数々が…。1954年に世界一周のフィールドワークを行ったグロピウスは、自分たちの伝統的な美意識を共有することの重要性を説き、近代的な工法によっても意識しだいで調和のとれた美しい建築・街づくりが可能であると訴える。20世紀デザイン論の名著。

目次

デモクラシーのアポロン
内奥の羅針盤
多様のなかの統一
生命の樹とセールスの悪循環
近代社会における建築家の役割
生活との新しい協定
建築における伝統と連続性
日本の建築
美術館の設計
劇場のデザイン〔ほか〕

著者等紹介

グロピウス,ヴァルター[グロピウス,ヴァルター] [Gropius,Walter]
1883年‐1969年。モダニズムを代表するドイツ出身の建築家。ル・コルビュジエ、フランク・ロイド・ライト、ミース・ファン・デル・ローエと共に近代建築の四大巨匠に数えられる。現代工芸、建築に影響を及ぼしたデザイン学校「バウハウス」の創立者・初代校長。主な設計に旧パンナムビル、ファグス靴工場がある

桐敷真次郎[キリシキシンジロウ]
1926年生まれ。首都大学東京名誉教授。工学博士。専門は西洋建築史。建築や建築史に関わる著書・訳書が多数ある。2012年度日本建築学会賞大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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壱萬参仟縁

8
1972年初出。J.ラスキン『建築の七灯』との違いは? と思い借りた。重要箇所は明朝体太字。美の創造と愛は幸福と道徳力をもたらす(011,013頁)。素晴らしい美。芸術家の仕事は社会秩序にうまく関連づけられるべき(053頁)。大衆の想像力と芸術家の創造力は、前者の網目に根差して後者が発露する(079頁)。写真、設計図多数掲載。日本の若者が伝統的なものを捨て去ろうとしていることに警鐘を鳴らす(174頁)。ラスキンと比べて、人間の醜悪な倫理観の無さへの痛罵は見られない。しかし、建築デザインは人間を表出する。2013/06/09

ラウリスタ~

7
バウハウスで有名なグロピウスさんが書いた本。近代建築の四台巨匠の一人らしい、残りの三人はコルビジュエと・・・ミースって人と、フランク・ロイド・ライトって人らしい。グロピウスは、当初コルビジュエなんかの影響も受けつつ、工業社会に適合した普遍的建築みたいなのを目指していたようだ。ただその社会主義的な色合いが災いしてナチスによって追い出される。コルビジュエは後年、転向?し、個性的な作品を作る。個性を押し殺し、普遍性を追求しようとしたグロピウスは取り残される。ようだ。講演主体なので、気軽に読める。解説も充実。2013/08/04

2n2n

0
『わたくしは、日本以上によく総合された文化の好例を見たことがありません。(p160)』そいつはどーも。2013/07/31

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