出版社内容情報
ルネサンスは芸術だけじゃない! 東洋との出会い、科学と哲学、宗教改革など、さまざまな角度から光をあてて真のルネサンス像に迫る入門書。
内容説明
ミケランジェロにボッティチェリ、そしてダ・ヴィンチ―。「ルネサンス」といえば、イタリアで花開いた華麗な文化が思い浮かぶ。だがそれは、ルネサンスの上澄みの部分にすぎない。新大陸の原住民を武力で制圧して支配下に置き、アフリカ人の奴隷貿易で富を築く人々が現れた。その一方で、新しい印刷技術の力を背景に、ルターが既成教会に反旗をひるがえすと、たちまち苛烈な宗教戦争が勃発した。ルネサンスとは、文物交流の巨大なうねりの中で、華やかな光と深い影とが交錯した時代だったのだ。コンパクトでありながら「ほんとうのルネサンス」の姿を一望することのできる入門書。
目次
序 ホルバインの絵
第1章 世界規模のルネサンス
第2章 人文主義者の手稿
第3章 教会と国家
第4章 素晴らしき新世界
第5章 科学と哲学
第6章 ルネサンスの書き直し
著者等紹介
ブロトン,ジェリー[ブロトン,ジェリー] [Brotton,Jerry]
ロンドン大学クイーン・メリー校教授。専門はルネサンス史研究。歴史書執筆のほか、BBCのテレビ番組の企画立案にも関与している
高山芳樹[タカヤマヨシキ]
1947年、石川県生まれ。国際基督教大学卒業。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
singoito2
13
「印刷という革命」きっかけ。13~16世紀の西欧世界の動向を遠距離交易、自然科学、地理上の発見、絵画や文学などの切り口で、分かりやすくコンパクトに論じています。原題は他の方のレヴューにあるとおり“The Renaissance:A Very Short Introduction"ですが、その名の通り、手軽な入門書として愉しめると思います。2024/02/23
かんがく
13
宗教改革、大航海時代、人文主義、自然科学、芸術と幅広いテーマで14〜16世紀のヨーロッパ史を概観。色々と知識が繋がった。印刷術の重要性がよくわかる。2019/09/22
壱萬弐仟縁
12
2006年初出。書物はルネサンス期の四学科、人文主義的学問の婉曲表象。文化栄華が貿易、金融界の成功の上に構築(017頁)。ルネサンスは仏語で生まれ直すこと=再生(025頁)。ミシュレはルネサンスを中世と隔絶した欧州文化が醸成された転換期とした最初の思想家(028頁)。民衆史でも評者は彼を注目。1543年に書かれたニコラウス・コペルニクス『天体の回転について』は同心円状の図式(199頁)。同年、アンドレウアス・ヴェサリウス『人体の構造について』(201頁)は死体解剖で恐ろしい。麻酔学に繋がるならやむなしか。2013/10/31
SKH
8
「ルネサンス」をコンパクトに解説。2013/09/24
中年サラリーマン
7
入門的。芸術や哲学だけでなく宗教、貿易、金融などが密接にからみあっているのを描いているのがよい。2013/08/31