ちくま学芸文庫
ポール・ディラック―人と業績

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 181p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784480094926
  • NDC分類 289.3
  • Cコード C0142

出版社内容情報

「反物質」なるアイディアはいかに生まれたのか、そしてその存在はいかに発見されたのか。天才の生涯と業績を三人の物理学者が紹介した講演録。

内容説明

「物理法則は数学的な美しさをもたなくてはならない」―独自の審美眼をもって20世紀物理学に大きな足跡を残したディラックの記念講演集。ディラックがその存在を予言した「反物質」はいかに発見されたのか。未だ発見にいたらない「単極子」は果たして存在するのか。現在の研究の状況や、反物質のロケット・エンジンへの応用可能性など実用面の進展状況について語った二つの講演のほか、第一級の物理学史家パイスが自らの交友をもとにディラックの人柄と業績を紹介した講演を収録。天才ディラックによる予言・発見のこれまでとこれからを概観できる一冊。

目次

ポール・ディラック、その人と業績(アブラハム・パイス)
反物質(モーリス・ジェイコブ)(ディラックの遺産、反粒子;反物質と現在の物理学;宇宙規模での反物質;反物質の実用化)
単極子(デイヴィッド・オリーヴ)

著者等紹介

パイス,アブラハム[パイス,アブラハム][Pais,Abraham]
1918‐2000年。アムステルダム生まれの物理学者・物理学史家。1941年ユトレヒト大学で博士号を取得。戦後ニールス・ボーア研究所でボーアの助手を務めたのち、1947年に渡米しプリンストン高等研究所所員となる。1963年、ロックフェラー大学教授に就任。1970年代以降は自らの研究生活にもとづく物理学史の著作を多数刊行した

藤井昭彦[フジイアキヒコ]
1927年、東京生まれ。東京大学理学部物理学科卒業。上智大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Akiro OUED

2
物理学理論を構築する数式は、数学的な様式美を持っていなければならないという信念をもったディラックは、テグマーグの数学的宇宙仮説の元祖だったのかも。反物質とか磁気単極子とか、数学が言葉に先立って登場したけど、みんなが理解できるようになるには、やはり言語表現が必要だったらしい。2020/03/17

ハンギ

1
アインシュタインと量子力学(とか大まかにいう)の対立はかなり深く、現在でも影響があるらしいが、そのどちらにも立たずにディラックは謙虚に自分の道を歩んだらしい。また無口で多少変人だったらしい。庭いじりが趣味。具体的な業績の紹介については反物質と単極子が集中的に取り上げられていますけど、一貫した業績のテーマとかはあまりよくわからなかった。量子力学自体まだ先はありますし、論文も200位あるらしいので、ぼやけるのかも。戦前ハイゼンベルクとともに日本を訪れたらしい。理化学研究所などで講演をしたと思った。2013/05/15

人工知能

0
面白かった。特に前半。ディラックはぶつりを勉強した人なら知らない人はいないはずな人物であって、イギリス人としてはニュートン以来の大物理学者。そんな彼について3人の学者が語っているものが収録されている。ディラックの業績だけでなく、その人柄がわかって面白い。数式の美しさを何よりも大事にした男の辿ってきた軌跡がここにある。個人的にハイゼンベルクとの会話がツボ。2012/12/28

massn

0
詳しい物理、物理史と人柄が述べられている。特に人物評は率直で「ノーベル賞授賞式に父親を呼ばなかった」とか「本当に天才的な輝きを見せたのは7年間のみ」みたいなことも忌憚なく言っているのがいい。なぜ数学的な美を志向した人々が栄光を掴み続けられないのか、という裏テーマがある。2012/11/23

onisjim

0
何とも不思議な人だという印象だが、多くの物理学者たちから好かれているのが感じ取れてよかった。伝記もあるそうなのでいつか読んでみよう。2012/11/18

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/5567890
  • ご注意事項