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ちくま学芸文庫
霊魂観の系譜

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  • サイズ 文庫判/ページ数 287p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784480094681
  • NDC分類 387
  • Cコード C0139

出版社内容情報

死後人はどこへ行くのか。事故死した者にはなぜ特別な儀礼が必要なのか。3・11を機に再び問われる魂の弔い方。民俗学の名著を増補復刊。

内容説明

盆や彼岸のお供え、怠りなく営まれる年忌法要、非業の死を遂げた者への巫女による懇ろな供養―。日本人は死をどのように理解し納得してきたのか。霊魂観の歴史を丹念に読み解いた名著に、事故死した者の弔い方や葬送儀礼に関する論考を増補。

目次

1(古代郷土生活の民俗学―シャーマニズムよりの追究;のろい人形―古代人の霊魂信仰;怨霊から御霊へ―中世的死霊観の展開;怨霊観と二つの型)
2(折口信夫の巫女観;柳田国男の祖霊観)
補論(日本人の祖先観;日本人の伝統的祖霊観;日本人の霊魂観と死者儀礼;怨霊信仰の民俗的機能)

著者等紹介

桜井徳太郎[サクライトクタロウ]
1917年、新潟県生まれ。東京文理科大学文学部史学科卒業。東京教育大学教授、駒澤大学教授、同学長、日本民俗学会会長などを務める。柳田国男に師事し、民間信仰やシャマニズム研究の分野で、多くの業績を残した。2007年に逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェルナーの日記

90
今では下火になってしまった民俗学だが、現在、少し違った(かなり違うかな?)分野で流行っている。いわゆるオカルト・ブームである。だが、本書は正当なる民俗学として霊魂観を解析・評論した1冊。民俗学の第1人者・柳田国男や折口信夫といった大家の民俗学に対するアプローチの仕方を批評し、学術的な欠点を再構築し、それを補うための考察・研究法を提起している。その中で日本の民俗信仰(シャーマニズム)、そこから派生した呪い人形を取り上げた霊魂信仰や、折口氏が重視した沖縄の“ノロ”や“ユタ”など巫女観を重点的に取りあげている。2016/04/04

HANA

42
日本人の霊魂観についての論文集。前半は折口信夫と柳田国男の学説のまとめ。全体的に柳田民俗学の祖霊観をベースにしているため、新しい視点が提示されるわけではなく、まとめ以上にはなっていない気がする。後半の怨霊と御霊も当時はいざ知らず、今となっては基本中の基本。ただ東北や沖縄のシャーマニズムについては、豊富な実例が集められ興味深かった。しかし読んでいて、師の学説に忠実すぎる気がする。仏教以前の古層にこだわるのも柳田国男そのままだし。民俗学がいつから民間の仏教もその視線に入れるようになったのか気になってきた。2013/07/31

mittsko

8
非常に正統的な、柳田民俗学の批判的継承の一冊。勉強になりましたが、逆に言うと、不詳私めにはそれ以上の感想がうまく湧いてきませんでした、面目ない。それには時代的制約があるのかもしれない。本書を1970年前後に発表された論考7本、やや後の3本を所収。元本は77年、89年に単行本化、それをさらに編成しなおして「新編」とし2012年刊(「補論」として加えられた4編は内容の重複がやや過多) ※ 宮田登先生の「解説」が当然ながら鋭すぎる!これ以上の読み方がボクみたいな素人にはできない、お手上げ2024/01/15

onisjim

2
研究室の書棚に並んでいたなと懐かしく思って買ってみたけれども、うーん、この本もいまいち。自分には日本の民俗学があまり性に合わないのだろういうことを再確認しただけだった。結局柳田と折口だけ語っておけばそれでよしという感じがどうもね。2012/09/01

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