内容説明
19世紀ヨーロッパを代表する美術史家・歴史家・文化史家ブルクハルト。本書は、「最大の絵画的物語作者」ルーベンスの生涯を追い、その絵画の本質を神話画・肖像画・風景画など作品テーマに沿って解説する。鋭利な筆によって、ブルクハルトが理想として思い描いていた、「万能の人」としての巨匠の姿が浮き彫りにされる。カラー口絵のほか、図版多数。新訳。
目次
ルーベンスの生涯
建築家としてのルーベンス
芸術家としてのルーベンス
西欧芸術の外的状況とルーベンスの制作活動
銅版画
人体と衣装―男性と女性の裸体像
裸童(Putto)
美の表現―さまざまな型と身体像
ルーベンスにおける構図
ルーベンスの絵の画面における人物の配置と動き〔ほか〕
著者等紹介
ブルクハルト,ヤーコプ[ブルクハルト,ヤーコプ][Burckhardt,Jacob]
1818‐97年。スイスの美術史家・文化史家。ベルリン大学で、歴史家ランケと美術史家クーグラーに学ぶ。1858年から35年にわたってバーゼル大学教授として歴史学、美術史を講じる
新井靖一[アライセイイチ]
1929年生まれ。早稲田大学名誉教授。専攻、ドイツ文学・西欧文化史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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feodor
7
積読より。ルーベンスの人生、そして作品について、これでもか!と追う作品。といっても、ブルクハルトの頃と知見も違う作品もあるのだが。何より、ルーベンス作品に対する愛着を感じる。たくさんの言及作品があり、図版が間に合わない。画家の王、という称号にぴったりなルーベンス。ヴェロネーゼの影響も受けながら、大作を作り続け、外交官としても活躍し、とルネサンス的超人を感じる。またヨーロッパに行きたいものだ……。2016/09/04
tatsuki
1
言葉に尽くせないくらい面白かった。ルーベンスにスポットライトを当てながら、その光は西欧の文化史全域まで射程が延びていくダイナミックな歴史書でした。ブルクハルト凄い。他も読もう。2012/03/27