内容説明
代数方程式に関するガロワ理論はもっとも美しい数学のひとつと言われる。しかし、その理論が解読され、教育制度に根づくには数学者たちの多大な努力が必要であった。ガロワはまた急進的共和主義革命家としても知られた。天才数学者にして革命家―本書はその実相を描き、さらに、これまで最大の謎とされてきた死闘死の真相に迫る。決闘前夜の友人宛書信をはじめ自筆草稿を丁寧に読み、真実一路の夭折の生をまっとうした青年の稀有の生涯を再構成する。厳密な歴史学的手法を駆使し、既成の創作的伝記をトータルに超え出ようとする正伝。
目次
緒言 天才数学者と伝記作家たち
第1章 『赤と黒』の世界への生誕―ブール・ラ・レーヌでの幼少時代
第2章 パリのエリート高等中学校に学ぶ
第3章 エコル・プレパラトワールへの入学とエコル・ノルマルからの放校
第4章 7月革命―急進的共和主義者としての活動の軌跡
第5章 ガロワの代数方程式論の創成―「解析の解析」の企図
第6章 決闘と死
第7章 現代数学への離陸―ガロワの数学理論の行く末
結語 革命的数学少年の悲劇と栄光
著者等紹介
佐々木力[ササキチカラ]
1947年宮城県生まれ。東北大学大学院で数学を学び、プリンストン大学Ph.D.(歴史学)。東京大学大学院総合文化研究科(数理科学研究科兼担)前教授。オイラー研究所名誉所長。著書に『近代学問理念の誕生』(サントリー学芸賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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