内容説明
「私を見よ!」と主張することなく、自らを不可視化して「見ずにはいられない」世界の枠組みを巧みにつくりあげてきた80年代広告戦略。パルコを中心に渋谷を演出した西武の展開や、資本という「リアル」を隠蔽したディズニーランド等の構図に見られるように、それは街全体を“広告”と化すことにより、消費社会を駆動させてきた。この戦略が崩壊するとき、我々の身体には、アイデンティティには何が起こるのか。“広告‐メディア‐消費社会”のトライアングルの変遷は何をもたらすのか。現在の社会状況の変化に鋭い問いを投げかける補遺つき。
目次
第1章 『トゥルーマン・ショー』の広告論(『トゥルーマン・ショー』の世界;資本というリアル ほか)
第2章 “八〇年代”渋谷の神話と構造(都市の発見;都市の記号論/記号論の都市 ほか)
第3章 広告=都市の死(“ポスト八〇年代”の渋谷;「脱出後」のトゥルーマン ほか)
結 広告化せよ!そして広告にあらがえ
補遺 あるいは続篇のためのノート―終わりなき日常の憂鬱(三〇年代ブーム再考;『嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』 ほか)
著者等紹介
北田暁大[キタダアキヒロ]
1971年生まれ。東京大学大学院情報学環准教授。社会学、メディア論。博士(社会情報学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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