• ポイントキャンペーン

ちくま学芸文庫
太郎誕生―岡本太郎の宇宙〈2〉

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 607p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480093721
  • NDC分類 723.1
  • Cコード C0170

出版社内容情報

かの子・一平という両親、幼年時代、鬱屈と挫折、パリでの青春、戦争体験……。稀有な芸術家の思想を形作ったものの根源に迫る。

内容説明

彼はいかにして「岡本太郎」という無二の芸術家となったのか。一平・かの子という両親のもとに生まれた宿命か、幼年時代から、なれあいの妥協を拒み本質を見つめる一貫した素地は形作られていた。留学先のパリで最新のモードの模倣に血道を上げる同朋を後目に、青春を賭けて自らの道を見いだすまでの格闘、そうそうたる芸術家・思想家との交友、母の死、帰国、一兵卒として従軍した中国戦線…。その思想と芸術を生んだ根源とは。こまやかな情愛あふれる両親との書簡集「母の手紙」、「挑む―自伝抄」「パリの仲間たち」「わが二等兵物語」などを収録。

目次

母の手紙
自伝抄 挑む
巴里回想
小説『青春の森』
パリの仲間たち
青春ピカソ
わが二等兵物語
大陸の風物
私の哲学―若き世代からの発言

著者等紹介

岡本太郎[オカモトタロウ]
1911‐96年。29年渡仏、抽象芸術、シュルレアリスムの運動に参加。パリ大学で民族学、哲学を学び、バタイユらと活動を共にした。40年に帰国、42年中国戦線に出征。46年に復員後、花田清輝らと「夜の会」を結成し、アヴァンギャルド芸術を推進した。『今日の芸術』『日本の伝統』はベストセラーとなった。70年、大阪万博テーマ館のプロデューサーとして「太陽の塔」を制作。以後、テレビをはじめとするあらゆるメディアを通じて発言と行動をつづけた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

roughfractus02

6
母子、父子という役割を超えて生命がぶつかることで感情が生まれ、感情が個々の生命を引き寄せる。子供のようにパリの息子を溺愛する母と童女のように母を叱る息子は、菩薩のように妻を信仰して妻の急死に抜け殻のようになる父にも一つの生命として対峙する。そんな父母との書簡のやり取りの中で芸術家となっていく著者は、一方でパリでの都市の虚無感を、戦争における異国の自然の崇高な虚無感にまで高め、異質な他者として戦後日本の焼け跡に立つ。この異質な生命は、定住化した社会と家畜化した人間への問いを、焼土から復興する日本にぶつける。2023/04/09

ゆきだるま

2
自伝的な文、つまり氏の人格に強い影響を与えた家族、パリ、軍隊などについてまとめられているもの。人物を知る上で一番分かりやすい本だと思う。これまでに何冊か岡本氏の著作は読んでいたので重複するところが多かったけど、その中で、父・一平、母・かの子との書簡のやりとりにかなり胸を打たれた。(ちくま[岡本かの子]にも少し収録されているが)親子の愛情もありながら芸術家同士の葛藤や思想のぶつけ合いがすごいし、あと、文学的。太郎とかの子の内面についてもかなり知れる。太郎もかの子も苦しんで生きてたんだとわかります。2020/10/17

ラウリスタ~

1
前半は太郎の母親かの子からの手紙。太郎の親は二人とも芸術家。ひとりパリに残した息子を思う母の手紙を読むと、かっこよく悩んでいる太郎とのギャップににやりとする。太郎も母からみればなんにも出来ない子供だったんだろう。それがいつのまにやら逆に息子に諭されたりと、なかなか面白い。とはいえ、それだけじゃ読んでもしょうがない。後半は太郎のパリ遊学時代から二等兵時代にかけての回想。太郎の芸術の変遷だとかも概観できる。二等兵時代のエピソードもなかなかおもしろい。ピカソ論が秀逸かな。2012/03/05

tototo

0
ピカソ個人の話は(たくさん映像があるのに)多そうで少ないし、岡本太郎の目を通してだと、さらに楽しい。岡本太郎は、文章ももっと評価されるべきだと、もっともっと読まれればいいのにと、どの著作を、何度読んでも思うけれど、他の作品があれだけすごければ、それもままならないのか。この色ない作品のエネルギーもすばらしい。2013/10/16

ナカユ〜、

0
小説として解釈できる。あくまでも個人的な解釈だけど。2012/08/08

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/2963136
  • ご注意事項