ちくま学芸文庫<br> 沈黙の宗教―儒教

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ちくま学芸文庫
沈黙の宗教―儒教

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  • サイズ 文庫判/ページ数 372,/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480093653
  • NDC分類 124.1
  • Cコード C0114

出版社内容情報

日本人の死生観の深層には生命の連続を重視する儒教がある。墓や位牌、祖先祭祀などの機能と構造や歴史を読み解き、儒教の現代性を明らかにする。

内容説明

日本人の宗教や死生観について考えるとき、すぐに仏教が連想され、戦前はもちろん、戦後もしばらくは影響力を保っていた儒教などは、もはや消え去ったと思われている。しかし、実はそうではない。私たちの宗教感覚の深層には、生命の連続を重んじる儒教が伏流となって流れているのである。それは、たとえば仏教独自のものと思われているお墓や位牌、祖先を祀る儀礼などの中に見ることができる。儒教の道徳性と宗教性の関係、その構造や世界観の紹介と分析を通して、日本人と儒教の深い結びつきを解き明かす。

目次

第1章 儒教の深層―宗教性(霊があると信じますか―新宗教のポイント;魂は“この世”にいる―霊能者が見る霊 ほか)
第2章 儒教の構造(宗教性と道徳性と;儒教と現代と ほか)
第3章 儒教の表層―道徳性(天と地と人と―礼の発生;誰のために愛するか―別愛と博愛と ほか)
第4章 儒教の世界像(万物の中の人間;単位の成立 ほか)
第5章 儒教から見た現代(臓器提供はあるのか―脳死・臓器移植の将来;皇室の祈り―“生命の連続”の表現 ほか)

著者等紹介

加地伸行[カジノブユキ]
1936年生まれ。1960年、京都大学文学部卒業。高野山大学、名古屋大学、大阪大学、同志社大学を経て、大阪大学名誉教授、立命館大学教授。専攻は中国哲学史。文学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

tonpie

33
著者が日本人、さらに中国朝鮮と同様の「東北アジア人」としての内省から書き起こして、儒教の壮大な「常識」を紡ぎ出すさまは壮観だ。儒教の源流は「魂魄二元論」、魂と肉体の二元論であると。死によって魂魄は分裂し、魂は雲になって子孫を見守り、魄(肉体)は、白い骸骨になって墓に留まる。古代中国で、骸骨を被ったシャーマンが精神と肉体を再会させ、一時的に死者を蘇らせる儀式があり、それは「現世」を愛する中国人にとって、死についての理解と慰めであった。↓2024/01/27

tonpie

19
ユダヤ起源の一神教が共時的な「世界」の連帯を掲げているなら、東アジア起源の「儒教」は通時的な「生命」の連帯を目指している。そのように感じられる。通時的とは「死者の霊も含めた」連帯ということ。「孝」とは、自己の起源(親・祖先)への霊的信仰とそれを根源とした世界解釈であり、「家族」「部族」「種」へと連なる生命の論理である。その推進力として儒教は「教育」「儀礼」を重視し、それに反抗した老荘思想は「原初の純粋」を求め「反教育」だと。(その点だけを見れば老荘は原始仏教と同様に個人主義的だといえよう)。【続く】↓ 2021/02/21

7
儒教とはどのようなものか。いざとなると答えられない。ぼんやりと道徳を教えているものぐらいの知識で読んだ。実に分かりやすかった。随所に著書の儒教に対する思い入れ、その文化を担った東北アジアへの鋭い視線が感じられる。普段の生活のなかで慣習となっていたものを改めて説明されるとはっとする。それを踏まえた上で現代の日本のありように痛烈な意見を述べている。最後の時事問題は儒教を通してどのように見るのかが簡潔に示されていて、その一貫した立場に感服する。淡々と説明していたので抵抗感もなく、読めてよかったと思える本でした2011/09/05

Olive

4
少々古い本だが、なんとたのしい本であった。 儒教の宗教性の解説、儒教からみた日本仏教の解説やインド人のあの世観との違い、その構造や道徳性、儒教の世界像を詳しく解説している。 中国仏教は儒教の神主も、祖先祭祀も取り入れた。盆の供養もインド仏教にはない。盂蘭盆会は中国仏教によって作り出されたものだ。日本の仏教は儒教流の祖先祭祀に基づく先祖供養と、道教流の現世利益に基づく祈祷を取り入れた中国仏教が根付いたものだという。 2021/10/30

Hiroshi

4
前書「儒教とは何か」は中国思想史概論として書かれたが、本書はそれに続き儒教概論書として書かれた。儒教とは、沈黙の宗教であり、共生の幸福論であるという。「儒教の宗教性」と、その上に在る「儒教の道徳性」と、その両者をつなぐ「孝」の三者によって儒教の構造は成り立っている。宗教性は死の意識とつながり心の奥底に深々と沈み込んでいるため、人々は気づかない。個人の宗教ではなく家族の宗教なので、他者に宣伝することもなく教団もない。「孝」とは、生命の連続性を自覚することである。そこから親子の断ち切れない深い関わりが生じる。2019/02/11

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