ちくま学芸文庫<br> エロティシズムの歴史―呪われた部分 普遍経済論の試み〈第2巻〉

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ちくま学芸文庫
エロティシズムの歴史―呪われた部分 普遍経済論の試み〈第2巻〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 330p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480093516
  • NDC分類 954
  • Cコード C0110

内容説明

民族学が教える通り、未開人は死=殺害の禁忌と並んで性的事象を強くタブー視してきた。“死”に劣らぬ荒々しい力である“性”にそのまま従うことを拒否して、それを制約づけ規範化しようとするところに“人間的な性”がある。触れてはならない、怖ろしい、と押しとどめる力が抵抗するにもかかわらず、その抵抗をのり超えて近づこうとする欲望する次元、それこそがエロティシズムだ。禁忌をあえて破り侵犯することの魅惑。そこに生れる聖性―。三部作として構想された『呪われた部分』の第二巻。バタイユのまなざしはスリリングに、容赦なくエロティシズムの本質を暴いてゆく。

目次

第1部 序論
第2部 近親婚の禁止
第3部 自然における禁止の対象
第4部 侵犯
第5部 エロティシズムの歴史
第6部 エロティシズムの複合的諸形態
第7部 エピローグ

著者等紹介

バタイユ,ジョルジュ[バタイユ,ジョルジュ][Bataille,Georges]
1897‐1962年。フランスの思想家。美学・考古学の雑誌「ドキュマン」、佐翼政治団体“民主共産主義サークル”、“社会学研究会”などで活動。大戦中『内的体験』などを執筆。戦後、書評誌「クリティック」を中心に広範で尖鋭的な論陣を張る

湯浅博雄[ユアサヒロオ]
1947年生まれ。フランス文学・思想。東京大学大学院総合文化研究科教授

中地義和[ナカジヨシカズ]
1952年生まれ。フランス文学。東京大学大学院人文社会系研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ふみすむ

12
エロティシズムを問題にするとき、通常人間は通俗性や嫌悪感を示すことでその対処に満足してしまう(回避する)が、20世紀の思想家G.バタイユは敢えて“そこ”に深い洞察を試みた。本書はエロティシズムにまつわる人間の本質を容赦なく読者に突きつけ、近親婚や殺人や排泄といった目を背けたくなるようなタブーにも切り込んでいる。自分も読んでいる最中に何度か「読んではいけない」という罪悪感につきまとわれた。巻末の解説で、吉本隆明をしてかく言わしめた戦慄の思想書である。「これは文字で描かれた、とび切りのホラー映画なのだ」2015/02/03

またの名

9
良き父ヅラで娘と遊ぶとき通ってる淫蕩所を忘れる親のように表と裏の世界を分断したのは、近親の享楽を断念して自然な動物性を抑圧する線引きが原因と議論する思想書。バタイユによれば、抑圧された側は嫌悪されるがそれゆえに欲望の魅力的な対象へ変わり、欲望と嫌悪の分断が崩れ混じると世界の総体が現れて、肉の嫌悪させる動物性の中に宿る存在の秘密に触れた感覚を猥雑な語で叫び主客がすべて溶解した宇宙との一体感にアヘる。利益を計算する普段のエゴを放棄しエネルギーが消尽する自己破滅に怖れつつも突き進む一方、それを回収する者も存在。2023/12/01

amanon

7
その昔、単行本で持っていながら、未読だったものを文庫版にて読了。これが二見書房『エロティシズム』と別物だったことを初めて知った(笑)。興味深い内容ではあったが、未消化感強し。また、本書は、たのバタイユの著作と関連づけて読まないと理解できないのでは?という気にさせられた。また、早くに棄教していたとはいえ、やはりキリスト教からの影響が何となし感じられるのが印象的。そして何より驚かされたのが、最後に冷戦について言及していること。実際の政治的動向には一線を引いているという印象を抱いていたが、アジまがいの発言が…2023/08/15

ゲニウスロキ皇子

5
名著『エロティシズム』の続編?未完のままバタイユが他界したのは残念の一言…でもそれだけに大きな可能性を感じさせる本だと思う。人間は所与の状態に甘んじることを拒み、自然を否定した。そして自ら労働に身を投じて、文化的な世界を作り上げた。しかしその文化的世界もやがて所与のものとなると、その世界の否定をも渇望し始めた。そうして最初に否定された自然には吐き気を促すようなおぞましさと魅惑に満ち溢れた光輝とが同居したエロティシズムを、我々に惹起させるようになったのだ。やはりバタイユは我々の足元を揺るがす思想家だと思う2011/08/26

井蛙

4
人間の本質は所与の自然に対する嫌悪である。人間はここに禁止を設定する。しかし人間にとって排泄・生殖は不可避であるから、禁止の侵犯は体系化される。これによって人間は、自然を外部に放逐した社会の方を専ら所与と見なすに至る。それと同時に社会制度の逸脱は単なる自然への回帰以上の、ある聖性を帯びることになる。これがエロティシズムである。このプロセスへの目配せこそ、著者が本題に歴史という言葉を選んだ所以である。ところでこの歴史とは物質的ではなく理念的なものである。この過程はあくまで一挙に行われたかのように見えるのだ。2018/10/17

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