内容説明
連続量と考えられていたエネルギーにも最小単位があった!プランクは空洞輻射で量子の概念に至り、アインシュタインは光量子、ボーアは水素原子の量子論、ド・ブロイは物質波、ハイゼンベルクは行列力学を創出した。先の見えない道を、創造者たちはどのように探りつつ歩いたのだろう。彼らの多くと直接に交流し、その物理的核心を洞察しえた著者ならではの本格的な量子論史。理論形成の過程を唱導した物理的イメージや、他の研究者の成果との意外な関係にも論が及ぶ。学習者には量子論の全体イメージを、研究者には理論探求の醍醐味を生き生きと伝える定評ある名著。
目次
序説
古典論の困難
振動子と量子・光量子
定常状態と遷移
前期量子論の困難と発展
行列力学の形成
物質波
波動力学の建設
波動力学の進展と確率的意味づけ
行列力学と波動力学の融合〔ほか〕
著者等紹介
高林武彦[タカバヤシタケヒコ]
1919‐1999年。兵庫県生まれ。東京大学物理学科卒業。名古屋大学助教授、CNRS(フランス国立中央科学研究所)研究員をへて名古屋大学教授。1983年同大学名誉教授。専攻は理論物理学、素粒子論、物理学史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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よく読む
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11:00 自室にて読了。科学史の本たが難しかった。教科書を読むよりも量子力学がわかった。2013/06/17
電
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行列力学では定常状態とそれらの間の遷移確率(不連続な非因果的変化)が柱であったのに対して、波動力学では重畳の原理が認識され時間発展を扱えるようになった。変換理論によって両者が合わさって量子力学の全体像が見え、物理的解釈が確定するに至った。現在では波動力学的見方から量子力学を学び始めるが、本書を読んで行列力学が果たした歴史的役割について認識を新たにすることができた。2011/05/12
mstr_kk
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これは、すみません、難しく読みにくかった。一般読者が読むにはかなり硬い本です。2019/10/07
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- 和書
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