出版社内容情報
内容は後日登録
内容説明
熱したアイロンを布地に当てれば、熱さは裏側に伝わる。もし服地に霧を吹けば温度はより下がり、肩など丸みのある箇所も裏から手で直接支えられるのでは?ロゲルギスト少年のその推論は大きくはずれた。あやうく参事になりかねない出来事を通し、高熱水蒸気の威力をまさに肌で学習した「しみ抜きとアイロンかけ」。ほかに、魚が銀色に輝く仕組み、コマが首振りから起ちあがり直立する過程の力学、サーフィンの話題から消波・発電のアイデアなどなど。実験をまじえながら常識的な予想を小気味よく履していく。楽しみながら議論が深まっていく科学エッセイ。
目次
眼の中にただようゴミ
大根おろし
松を伐る
しみ抜きとアイロンかけ
水面に立つ奇妙な波
波のりの力学
魚はなぜ銀色か
モーターはなぜまわる
結晶の形はどうしてきまるか
二重生活
コマはなぜ起き上がる
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
47
目の中の「ゴミ」については、子どものころから気がついていたが、その正体を明らかにしてくれたのが本書。「ゴミ」の場所まで指摘してくれたので、暗雲が晴れた思いがした。「松を伐る」で、本体より高い場所に滑車の支点をつくる方法には、思わず手を打ちたくなった。これぞ伝統の技だ。フレミングの法則は便利だが、実は右ねじの法則のみで十分だというのには参った。2018/12/13
壱萬参仟縁
27
1978年初出。理想的な しみ抜き(・点) は、しみを溶かした溶剤を布に垂直に吸い取ってしまい、布に沿って四方に散らさないようにすること(082頁)。米沢富美子先生によると、慶應義塾の物理学会の教授会でカニ料理を食べながら行われたことだという(235頁)。コマ回転構造図(188頁~)も示されている興味深い1冊。2016/06/02
nur1202
3
そもそも、学者さんってのは目の付け所が違うなぁという感じが強いですね。 特におろし金の研究なんて、素人には思いつかないんじゃないかと思いました。 サーフィンでなぜ波を滑り降り続けられるのかという話もおもしろかったです。 巻末の独楽がなぜ立ち上がるかという話は、ちょっと難しくて付いていけませんでしたが。(^^; 2011/06/06
tohmek
3
「眼の中にただようゴミ」「大根おろし」が特に面白かった。図書館で何気なく手にとったものが新年早々ヒット。2010/01/15
EnJoeToh
3
懐かしい。2009/11/20