内容説明
地面にへばりくように葉を茂らせて、かわいい花をのぞかせている雑草。知っているような知らないような身近にある草々は、日本の風土と生活に深い関係をもっている。毒虫にかまれたときに葉を揉んでつけるキランソウ、天ぷらにすると結構おいしいユキノシタ、その球根の醤油漬けを父・宗悦も好んで食べたノビルなど、人と深い関わりをもつ60の草花について、思索と追憶をめぐらせる。味わいのある挿画とともに、しみじみとした感動を読者にもたらす、続編。
目次
第1章 春(ハルノノゲシ;ノボロギク;キツネアザミ ほか)
第2章 夏(ブタクサ;クマツヅラ;カラスウリ ほか)
第3章 秋(オケラ;ツワブキ;ヨメナ ほか)
著者等紹介
柳宗民[ヤナギムネタミ]
園芸研究家。1927‐2006年。民芸運動の創始者・柳宗悦の四男として京都市に生まれる。旧制暁星中学校卒業。栃木県農業試験場助手、東京農業大学育種学研究所研究員などを経て独立。柳育種花園を経営するかたわら、執筆やテレビ・ラジオで活躍
三品隆司[ミシナタカシ]
1953年生まれ。科学ライター、イラストレーター。多数の科学書の執筆、描画がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Sakie
19
その2。その1で大概は網羅されていただろうから、その2はレアな雑草が多いのではとぼんやり想像していたのだけれど、なんのなんの。その数60種。可愛らしいのから憎たらしいのまで、まだこれもあったかと驚くほどあるのだ。『これらの草々の多くを、昔の人々が見捨てることなく、実にうまく利用してきた』。食用、薬用、鑑賞用など、利用してきた知識はなかなか活用する機会が持てそうになくも貴重だと実感する。一方、挙げられた地味な雑草が園芸店に売られる洋物の草花と同種だったり、むしろ原種だったりと、知識量に感嘆することしきりだ。2025/02/12
雪の行者山@加療リハビリ中
4
1をとても楽しく読んだので(若干の不満はあるけれど)、2も購入。前作と同じように楽しく読めました。が、やっぱり不満も。一つ一つの文の中にはたくさんの同属の植物の名前が…でもイラストは・・・もう少し分厚くなって値段が高くなっても、名前を出した植物はできるだけ多くイラスト・写真で見せてほしかったなぁ、と。泉下の柳先生にちょっと文句を。つぎは、「日本の花」かな。2016/06/11