内容説明
六十余度にわたる生きるか死ぬかの苛烈な真剣勝負を経て自得した、二天一流の兵法の奥義書。地・水・火・風・空の五巻で構成され、兵法の道とはなにか(地)、兵法の基本、実際の戦い方(水)、さまざまな戦いの様相に即して勝つ理(火)、他流派とのちがい(風)、そして兵法の究極(空)が説かれる。古来、兵法書としてはもとより、常に現在に生きる人生の修養・鍛錬の書として読み継がれてきた永遠の古典。底本には、これまで流布してきた細川家本ではなく、2003年に発見された福岡藩家老吉田家旧蔵本を用い、新たに校訂した。『兵法三十五か条の書』と『独行道』も収録し、それぞれ訳・注を付す。
目次
五輪書(地の巻;水の巻;火の巻;風の巻;空の巻)
兵法三十五か条の書
独行道
著者等紹介
宮本武蔵[ミヤモトムサシ]
1582‐1645年。江戸時代初期の剣豪。その事蹟は不明なところが多い。13歳ではじめて試合をして勝ち、以後廻国武者修行をし、六十数回の試合に一度も負けなかったという。また、書画、細工などにも才能を発揮し、優れた作品を残している
佐藤正英[サトウマサヒデ]
1936年生まれ。東京大学文学部倫理学科卒業。現在、東京大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆーじん
24
生活を際どい危うさに賭けて生きるほど、奇跡の際で生き抜いた人の鮮血に濡れた手になる書への渇望が増す。この書をしたためていたとき、剣豪の瞼の裏には、どれほどの酷く無念の人の姿が、刀の閃きと共に蘇ったことか。それに対する剣豪の魂のうめきの方を、聞いてみたくなった。おそらく、晩年にこの書を書かずにいられなくなったのも、まさか剣の道を誇示しようという思いからではなく、魂鎮めに動かされたからにちがいないと信じたい。2021/08/27
ルル
13
空手をやる息子に贈りつつも自分も読了(o^^o)バカボンドの武蔵像を浮かべながら読み進めました〜武蔵の哲学書です!2022/02/28
おっとぅ
6
宮本武蔵による地・水・火・風・空の五巻から成る兵法書。地の巻、前書きや精神論。水の巻、実技や技術論。火の巻、実戦での応用。風の巻、他流派との比較。空の巻、まとめ。著・心免武蔵守藤原玄信2017/08/22
Lagavulin
5
原文と対訳が載っていて分かりやすい。宮本武蔵の歴史を学んでから再読する。2021/08/19
イエ
4
思っていた以上に相手を倒す(斬り殺す)ことに対して重きを置いていた理論だった。 できるだけ冷静で、常に優位性を取り、状況に応じて武器、構えを使い分ける。 武蔵はかなりのリアリストだったのだろう。 私は剣術に関してはまったく知見が無いが、スポーツ、対戦ゲーム等にも通ずるところがあるようにも思えた。2020/08/15
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