ちくま学芸文庫
孫〓兵法―もうひとつの『孫子』

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  • サイズ 文庫判/ページ数 270p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480091789
  • NDC分類 399.2
  • Cコード C0110

内容説明

『史記』や『漢書』にその名が記載されながら、二千年にわたって姿を隠していた幻の兵書『孫〓(ぴん)』。1972年、山東省臨沂県銀雀山の紀元前二世紀ごろの漢墓から出土した竹簡によって、『孫子』には在来の『孫子』(孫武)と『孫〓(ぴん)』の二種類あることが判明。『史記』『漢書』の記述の正しさが立証された。本書はその竹簡の全訳。在来の『孫子』は深い思想性を特色とするが、本書『孫〓(ぴん)』は戦国時代という社会状況を反映して、騎兵戦・攻城戦・陣法など、より具体的・実際的な戦術が展開される。二つの『孫子』を合わせ読むことにより、生死を賭けた人間の知恵と行動の原理が把握できよう。

目次

擒〓(ほう)涓
“見威王”
威王問
陳忌問塁
簒卒
月戦
八陣
地葆
勢備
“兵情”〔ほか〕

著者等紹介

金谷治[カナヤオサム]
1920‐2006年。三重県伊賀市生まれ。東北帝国大学法文学部支那哲学科卒業。もと東北大学名誉教授、追手門学院大学名誉教授、日本学士院会員。2003年、勲二等瑞宝章受章。専門は中国哲学、中国古代思想(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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9rikaz00

2
囲魏救趙の故事や、孫武に通じる準備の重視など、欠損部は多いながらも読ませる部分は多いと感じた。生きていくことは戦争だからな2020/12/02

荒野の狼

2
1972年山東省の銀雀山漢墓で発見された竹簡の中の「孫ぴん兵法」の1975年11月時点で金谷治が執筆したもの。著者自身が、1975年の時点で、”研究といえない”とした本書が、学術目的ではなく、一般書として文庫本の形態で販売されることには疑問を感じる。内容であるが、文字が解読されていない部分が多く、話が完結していないものが多い。本書を読んでも「孫子」の理解が深まるということはなく、内容も引用に値するほどのものは以下の数文ほど。孫ぴんの研究者にのみ薦められる本といえる。新しい知見を入れた新版が望まれる一冊。2016/08/31

富士さん

2
金谷先生の翻訳を手元の置いておこうと手に入れました。しかし、資料の性質上原典からの翻訳はあり得ないのでちょっとミスリードかなと思いました。内容は欠損が多いのと古典としてこなれていないのもあってか、歴史学的な資料という感じです。個人的に白文で最もハードルが高い、借字の通用するという書かれ方が竹簡の時代からあることが確認できて興味深く読みました。漢字は過剰に表意文字として評価され過ぎているような気がします。オリエントの文字と同じように、表音文字としての使われ方にもっと日が当たればいいのにといつも思うのです。2017/05/02

p31xxx

1
孫臏は「もう一人の孫子」として、中国史に名を留めてきた兵法家だ。メジャーな孫子の方は書物にも記録が残され、思想書として長い歴史を生き延びてきたが、孫臏の兵法は秘伝とされ永遠に失われたかに思われていた。そして本書は、1972年についに発見された竹簡によって2100年あまりの年月を経て再現されたものだ。永遠に失われてしまったとされる六経の一である『楽経』を考えれば完本でないとも素晴らしいことであるし、存在を指摘されながら長きにわたり現存しなかった名著という意味でアルキメデス の『方法』を彷彿とさせる。2011/06/11

湯豆腐

0
欠落が多いものの、孫武のものとはまた違った面白さを感じることができる。2015/07/10

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