内容説明
世界でもっとも知られている日本人作曲家、武満徹。一方で「武満徹の名を多くの外国人外交官は知っているが、日本人外交官は彼を知らない」と語られることもあった。しかし武満の思想や、その遍歴を知れば、彼の曲は驚くほどスムーズに楽しめる。本書では、ジョン・ケージ、秋吉敏子らの音楽家や、大竹伸朗等の芸術家、そして黒柳徹子など幅広い分野の人々との対談を通じ、闊達で柔らかな「武満徹」を紹介。また彼の衝撃的な音楽との出会いや、西洋音楽との葛藤、日本文化への思い。そして全ての枠を超越した音楽に至った作曲家の軌跡をたどる。単行本未収録対談も収める。
目次
「武満徹」とは
文化/伝統
音楽へ
ジャズへ
言葉/イメージへ
あのころは
著者等紹介
小沼純一[コヌマジュンイチ]
1959年、東京生まれ。早稲田大学文学学術院教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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カイロス時間
10
特に詳しいわけじゃないけれど、なぜか武満さんの音楽が好きだ。そんな気持ちが前からあって、どういう人なのか知りたいと思っていた。時が満ちたような気がして、おもむろに本書を手にとる。自分の目的には対談という形式はうってつけだったかもしれない。会話はリアルなその人を呼びこむから、人となりが表れやすい。色々な時代に発表されたものが集められているけど、まず思うのは友達多いなということ(笑)コミュ力の高さがうかがわれる。個人的にはキース・ジャレットとの対話が好き。どんな音楽をつくりたいか、率直な想いがこちらに伝わる。2021/07/28
のんたんの
5
夢についての話『人類全体の記憶の集積の中から何かが無意識的に出て来るのだと思う。(大竹伸朗との対談)など。 ジャンルに捕われずに越境しながらも、なにか輪郭が浮かび上がって来る様な。 2010/10/15
ちあき
4
時間芸術である音楽について、「深さ」のような空間的比喩を多用して語るところが興味深かった。谷川俊太郎との対談がいちばんストレートでおもしろかったかな。それにつけてもジョン・ケージは何言ってるのかさっぱり意味がわからないカッコワライ2008/10/25
たいそ
2
日本、アジアの音楽とヨーロッパの音楽の対比、作曲とはどういう行為か、即興とは、といったあたりがおもしろかった。「作曲家はなによりもまず最初の聴衆」2012/08/19
いちはじめ
1
武満徹よりも、対談相手の一人キース・ジャレットのファンなので買った。他の対談もなかなか良く、満足。2008/01/17
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