内容説明
自分で“思考”できるコンピュータと人間の違いは?すべてのカラスが黒いことを証明するには?無限に部屋があるホテルで部屋数は増やせるか?―正解を探すのではなく、問題をじっくり考えること。それ自体がすでに哲学だ!ゼノンのパラドクスや、囚人のジレンマ、「中国語の部屋」等々、古今東西の哲学者たちが頭をひねって考えた101個の難問を、身近な例やたとえ話に置き換えて、先人たちの思索をなぞりながら解説し考える。哲学の第一歩を踏み出す人が、いちばん最初に読むのに最適な楽しい哲学読み物。英国ベストセラー待望の翻訳。
目次
初めに10の論理ループとパラドクス
6つの倫理的物語
数の問題1ダース分の半分の半分
ゼノンのパラドクス
いくつかの価値判断
逆説的な絵画パズル
時間をめぐる問題
個人的な問題
逆説的な絵
いずれにせよ誰も実際には気にかけない12の伝統的な哲学の問題
いくつかの不愉快な医学的な問題
2つの中国の問題
宗教的な諸問題
志然哲学の基礎的な諸問題
すばらしい最後の諸問題
著者等紹介
コーエン,マーティン[コーエン,マーティン][Cohen,Martin]
イギリスで発行されている、世界で最も古い哲学誌『The Philosopher』の編集者。オーストラリアのクイーンズランド工科大学応用倫理学センター客員研究員
矢橋明郎[ヤバセアキオ]
東京大学大学院総合文化研究科修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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藤月はな(灯れ松明の火)
32
シュレディンガーの猫、中国語の部屋、ゼノンのパラドックス、ルビンの壺、反証主義、帰納法と演繹法の欠点、囚人のジレンマ、性悪説か性善説か、功利主義、「赤ん坊の命は誰のもの」というような倫理問題、「我思う、故に我あり」から実存しているものに対する問いかけなどの人生をおいて繰り返し、定義されるが永遠に解けない問題の定義集。作者が所々で投げやりになっているのが人間味があって可笑しいです(笑)最後に哲学に関する用語解説や参考文献手引きも参考になります。いしいひさいち氏の「現代思想の遭難者達」も分かりやすいのでお勧め2013/05/18
裕
6
分からん!もう止めだ!2014/07/10
うえ
3
問と解と言うより問い掛け的なもの。「信じられないことにニーチェは最近、流行の進歩的な人々の仲間内で大いに持ち上げられている。…ニーチェによると人類の目標というのは、幸福の最大化のような何らかの一般的な戦略もしくは過程と考えられているもののうちにあるのではなくて、人類の「最高の見本」と見なされる者たちの諸活動のうちに見出されるべきなのである。これらの男たちは歴史を超越し、自分自身の快楽以外のいかなる法にも縛られない。『権力の意志』において彼は…自然全体の行動を、権力を求めるものとして説明しようとしている。」2023/12/11
Akiro OUED
3
問1の別答:自らの罪を認める。問102「広告募集中」の広告看板は、広告中だろうか?ゼノンの逆理について、分数の足し算を持ち出しても応えたことにならない。アキレスは止まれない、ってゼノンは言いたかったんだね。胎児が母の臓器を共有するという絵が怖い。あれこれ考えさせられる好著。2022/08/05
ワタシ空想生命体
2
ディスカッションであり解答でないのは、自分で考えろということだ。2013/04/23