内容説明
「任意に与えられた問題を解くアルゴリズムが用意されれば、理論は完成したと言えるだろう。その意味で、理論の完成はときには理論の死に直結する」「ヒルベルトのプログラムはゲーデルの不完全性定理によって挫折した。ところが、不完全性定理こそ、いわば“規則に違反する創造性”のもとになったのだ」簡潔な叙述が刻む心地よい思考リズムと論理に先導され伸びていく数学的思考!『線型代数入門』など定評ある硬派教科書で知られる著者の数学エッセイ。数学は言語か/数理感覚/無限小量と微積分/もっと論理を/どういう意味で数学は記号の学なのか/ほか。文庫化にあたり単行本未収録4篇を増補。
目次
1 数のコスモロジー(実数とは何か;無限小と無限大 ほか)
2 数学の現在(数学の現在―現代数学とはなにか(インタヴュー))
3 数学―研究と教育(微積分に無限小を導入しよう;無限小量と微積分 ほか)
4 数学に現われることばと論理(数学用語とその表記法;日本語と論理―高校生諸君 ほか)
5 その後の展開(どういう意味で数学は記号の学なのか;実数概念の変遷 ほか)
著者等紹介
齋藤正彦[サイトウマサヒコ]
1931年、東京都生まれ。東京大学理学部数学科卒業。同大教養学部教授。同大名誉教授。後に、放送大学教授、湘南国際女子短期大学学長を歴任。1960年パリ大学理学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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