• ポイントキャンペーン

ちくま学芸文庫
パンとぶどう酒の中世―十五世紀パリの生活

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 302p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480090522
  • NDC分類 235.04
  • Cコード C0122

内容説明

時は15世紀前半、党派対立とイギリス王家の支配にゆれるフランス、パリの町の様子をひとりの男が伝え残した。多くの人の手を経て、現在ヴァチカン法王庁図書館に収まる『パリ一市民の日記』は、中世パリの日常生活をつぶさに今に伝えてくれる。さあ、この日記を片手に中世パリを歩いてみよう。小麦の不足で混ぜものをしたパン、セーヌ川の氾濫、例年以上に冷え込む冬、高騰する薪の値、「むすめ」と呼ばれるジャンヌ・ダルクの噂…、現場を見た克明な記載から大文字の歴史が記しえない庶民の歴史を読み取る。

目次

一冊の本
その後、十日か十二日ほどして
雪と氷、そうして薪
かねがないなら、くるみパンを喰えばよいのよ
いちじくもなつめ椰子の実も喰わぬ
だいたいが、一個二ドニエもしないパンなんて
雨のサンマルタン門外
むかつく麦酒は新酒のぶどう酒
まっとうの飲料
日記の筆者を狩り出す

著者等紹介

堀越孝一[ホリコシコウイチ]
1933年、東京生まれ。1956年、東京大学卒業、1966年、同大学大学院博士課程満期退学、専門は西洋史。茨城大学、学習院大学をはじめ多くの大学にて教鞭を執る。学習院大学名誉教授。1971~1972年、文部省在外研究員としてパリに住んで以来、数度にわたり滞仏(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

うえ

6
「ダマすももは、その正体、なつめ椰子の実の干したのであって老人は、1440年の夏、それが売られているのを見た。書きぶりから察するに、この景色には、なつめ椰子の実の樽とくるみのつまった大樽とが並んでいる。場所は、サンマルタン大通りから入ったオーブリ横丁の乾物屋の店先でもよい。サンドニ通り沿いの市場の一隅でもよい」「1419年3月、イギリス軍との休戦協定が切れた…ブルゴーニュ侯待ちということで、あらためて休戦協定の締結を望んだのだが、イギリス王は、ボーモン城等を欲しがり…相談に応じようという気がなかった」2015/10/31

人生ゴルディアス

5
『パリの住人の日記』の翻訳者が、当の日記をネタにつれづれ中世フランスについて語る。すっとぼけた講談みたいな文体なので気楽に読めるのと、現代日本の感覚を存分に持ち込んでくれるので、その点でもわかりやすい。貨幣価値などもその都度説明してくれる。怒涛のような度量衡と、農産物の産地の案内までやってくれる。百年戦争関連の記述は、相変わらず頭に残らない。似たような名前多すぎるし、分家とか多すぎる。ソールズベリをサルスベリと書いてるのは、昔はこういう表記だったとかじゃなくて、わざとですよね……。2022/04/07

詩唄いのようななにか

3
15世紀、パリ。そこから一人の視点で語られる日記を元に著者が読み解いていく形式のものである。言葉の言い回しや単語が多く初めは戸惑う物ではあるが読み進めて行くに従い理解が深まる。何よりも筆者が楽しげにその日記を書いている者と対談しているかのような感覚で、読んでいるこちらとしても楽しくなってくる。中世の経済の一側面を学ぶ過程で読んだのだが、歴史と経済の密接な繋がりを見ることができる一冊である2013/06/01

sun

2
一般人の日記みたいなもの 物価、洪水、ゴミなど日常的な話題 2014/03/12

のんき

2
15世紀前半に書かれた『パリ一市民の日記』を読んでいくもの。その“読み方”がすごく面白い。数行を訳して、腑に落ちない言葉ひとつひとつについて、地図を見たり絵画を見たり辞書を引いたり他の文献と比べてみたりしていくうちに本題なんだったっけ?ってことになって、細かいことに突っ込みながらどこか茫洋としている感じが悪い意味でなくとても楽しかった。ただ、紹介されている箇所が少ないのが残念といえば残念。2010/03/12

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/393182
  • ご注意事項

最近チェックした商品