内容説明
戦国大名武田信玄、勝頼二代にわたる甲州武士の事績、心構え、軍法、合戦などが記された壮大な歴史パノラマ。戦国時代に形成された武士道の集大成ともいわれ、元和以来、武士の間で広く読まれた。また、講談や歌舞伎狂言などにも翻案され、庶民にも遍く普及し今に伝わっている。本書は、全二十巻五十九品の中から、その白眉と目される山本勘助の物語、信玄一代記、甲州法度など話題に富む十四品を収録。歴史に関心をもつ読者はもとより、広く現代において、組織の上に立つ者の必読の名著。原文に現代語訳を付す。
目次
分国中仕置五十七箇条の事
典厩九十九箇条の事
信虎公を追出の事
晴信公三十一歳にて発心ありて信玄になり給ふ事
春日源五郎奉公の故に立身の事
信玄公御時代大将衆の事
小笠原源与斎軍配奇特ある事
判兵庫星占の事 付けたり長坂長閑面目なき仕合の事
信玄公御歌の会の事
信玄家にて来年の備へ定め、前の年談合の事〔ほか〕
著者等紹介
佐藤正英[サトウマサヒデ]
1936年生まれ。東京大学文学部倫理学科卒業。東京大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あまたあるほし
3
時間をつくってついに読み終えることができた。徳川フィルターがバリバリ入っているのはさすが。やはり、武田信繁の『典厩九十九箇条』は光る。真田昌幸が息子に信繁ってつけるわけだよ。今から思うと的外れな部分もあるが戦国的教養がここにあるのだろう。2012/04/16
ワッツ
3
長閑老、勝資殿への恨み節満載。典厩九十九箇条は秀逸。2010/10/25
狐狸窟彦兵衛
2
武田信玄の兵法や治世心得を中心に様々な合戦の記録が家臣の視線で進言や戒めを込めて活写されています。原文の翻刻に次いで現代文が載っていて、なんとか読み進めました。最近、長篠の戦いで、武田騎馬隊の突撃を、信長の鉄砲三段撃ちが防いだと言うのは虚構だという研究結果が注目されていますが、本書の品第十四には、そもそも騎馬隊が馬を並べて突撃できる地形ではなかったと明記している。よく読み込みたい戦記だと思いました。2025/02/10
すだま
2
原文が載っている珍しい本。但し、全文ではなくて、ダイジェストでもなくて、前半1/4程。残り読みたい場合はどうすれば良いんだ。そのうち武田信玄に仕官する予定の人にお勧め。2016/05/07
BIN
2
甲陽軍鑑の4分の1にあたる前半の品第14までの原文と訳文が記載されている。武田信繁ファンとしては品第2の「典厩九十九箇条」が全文載っているのが嬉しい。本当に為になる家訓だな。また品第6の武将の逸話が面白い。太田資正の軍用犬の話なんて他にあまり見ないので良い。堅苦しくなく物語性もあり、読みやすい。長坂、跡部への当てつけのような言い草が笑える2013/04/08
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