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ちくま学芸文庫
あるヒステリー分析の断片―ドーラの症例

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  • サイズ 文庫判/ページ数 239,/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480089847
  • NDC分類 146.1
  • Cコード C0111

内容説明

ドーラに何が起こったのか。夜尿、偏頭痛、咳、そして失声、失神。このユダヤ人少女の病は長く重い。原因はわからない、あるいは多すぎる。しかしフロイトは言う、「口を閉ざす者は指先で語り、体中の毛穴からは秘密が漏れ出てくる」と。その分析と治療ははたして成功したのだろうか。「夢とヒステリー」と題された本作は、『ヒステリー研究』と『夢解釈』を書いたフロイトが、精神分析の理論と技法をいっそう成熟させた有名な症例研究である。疾病利得、症状行為、転移といった基礎概念に具体的な裏づけが与えられる。そのロマネスクな文体の魅力に加え、「いままでに書いたなかでもっとも精妙なもの」とフロイトが自賛する作品が新訳で登場。

目次

第1章 病状
第2章 第一の夢
第3章 第二の夢
第4章 あとがき

著者等紹介

フロイト,ジークムント[フロイト,ジークムント][Freud,Sigmund]
1856‐1939年。精神分析の創始者。ウィーン大学医学部で神経学を専攻。85‐86年、パリのシャルコのもとに留学。95年に精神分析の「始まりの書」である『ヒステリー研究』を発表(J・ブロイアーとの共著)。1900年、『夢解釈』で精神分析の基盤を確立。38年、ユダヤ人迫害を逃れイギリスに亡命、翌年ロンドンで死去。その思索の成果は今なお現代思想全般に大きな影響を与えている

金関猛[カナセキタケシ]
1954年、京都生まれ。京都大学大学院文学研究科修士課程修了。岡山大学教授。専攻、比較文化学・ドイツ文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

有沢翔治@文芸同人誌配布中

3
ドーラの精神分析を通して、フロイト精神分析の実践例を語る。中でもこの著作において重要視されるのは転移現象である。これは医師と過去の人を同一視してしまう現象のことで大抵は父と同一視します。https://shoji-arisawa.blog.jp/archives/50832068.html2009/05/20

もち

0
途方もないことを徹底して考えるからすごいな〜2013/05/23

sk

0
本書は、ヒステリー患者のドーラにたいする、フロイトの精神分析的アプローチを記録した症例分析であるが、タイトルに「断片」とあるように、この分析は不完全なもの。なぜなら、患者のドーラが、精神分析を途中で放棄してしまうから。この不完全さのため、読後感としては腑に落ちないものが残る。本書はフロイト精神分析の入門書として紹介されていたが、僕はそうは思わなかった。症例分析の本なので、むしろ理論をある程度知った上で読むべき。先に『夢判断』読んでからのほうが、本書に頻出する夢の読解の理論が理解できて分かり易いと思います。2011/09/12

もすら

0
精神分析の本としてではなく、小説として読んでもおもしろい。冒頭からこの本が書かれたときと報告している出来事が起きたときの時間的な乖離が強調され、ナボコフ的な語りへの自意識の存在が興味深い。しかし、出来事そのままの言語化ではないことを強調するフロイトには、ドーラという女性から悲痛の叫びを、男性による説明の言語によって置き換えていることへの自覚と罪悪感があったのではないか?と考えた。2023/06/19

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