内容説明
「この本には、自分が今まで積み重ねてきたことのすべてが凝縮されている」。自分のことばが相手に届くように、ドラマ(戯曲)を“声に出して読みあう”というレッスン。その中で、繰り返し立ち戻っていったのが、ここにあげた五つのドラマだった。どれも女性を主人公とし、“近代化と男女の断絶”を隠れたテーマとする作品群。竹内氏は言う。「夕鶴」で、貨幣的価値にからめとられていく男に対するつうの絶望の叫びが「ついにモノローグであってダイアローグにならなかったこと」に日本女性の悲劇をみる、と。“対話”と“断絶”の意味を深く考えさせられる一冊。
目次
夕鶴―木下順二
アンティゴネー―ソフォクレス
人形の家―イプセン
三人姉妹―チェーホフ
セチュアンの善人(寓話劇)―ブレヒト
著者等紹介
竹内敏晴[タケウチトシハル]
1925年、東京に生まれる。東京大学文学部卒業。演出家。劇団ぶどうの会、代々木小劇場を経て、1972年、竹内演劇研究所を開設主宰し、演劇創造とともに障害者療育にもかかわる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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