ちくま学芸文庫
パピエ・マシン〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 407p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480088901
  • NDC分類 135.5
  • Cコード C0110

内容説明

サルトルの語彙を選び出し時代を照射してみせる「『彼は走っていた、死んでもなお』やあ、やあ」、正義や権力、新しいヨーロッパを語った「ユートピアではなく、不‐可能なもの」、その思想全体を俯瞰し明確なデリダ像を浮き彫りにする傑作インタビュー「『他者は他なるものであるからこそ秘密なのです』」など。デリダが自らの作品について、また自分への批判について自在に語り尽くす。デリダ自身が編んだ、その思想を理解するための最良の書。全2巻、本邦初訳。

目次

「彼は走っていた、死んでもなお」やあ、やあ
ムミア・アブー=ジャマルのために
アルジェリアへの態度決定
「でも…、そうではなく…、かつてなく…、それでも…、メディアについて…」(知識人について、みずからによる定義の試み、アンケート)
歓待の原則
「ソーカルとブリクモンは真面目じゃない」
「この紙面の制約のもとで」あたかも可能であったかのように…
日曜日のわたしの『ユマニテ』
ホセ・ラインハのために―わたしが信じていること、知っていると信じていること…
「いまフランスの哲学者であるというのは、どういうことなのでしょうか」
ユートピアではなく、不‐可能なもの
「他者は他なるものであるからこそ秘密なのです」

著者等紹介

デリダ,ジャック[デリダ,ジャック][Derrida,Jacques]
1930‐2004年。アルジェリア生まれ。エコール・ノルマル卒業。西洋形而上学のロゴス中心主義の脱構築を企てた哲学者

中山元[ナカヤマゲン]
1949年生まれ。東京大学教養学部中退。思想家・翻訳家。インターネットの哲学サイト『ポリロゴス』を主宰
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

春ドーナツ

11
昨日の朝、ハンバーガーショップで本書を読んでいた。私は長袖の黄色いブラウスを着ていた。ふと。左の前腕がむずむずするので、活字から目を反らすと袖から蟻が出てきた。このときの混乱と恐怖を文字化することはできない。払い落して水を飲んで落ち着く。これってデリダ的な「出来事」だと思う。不ー可能性を経験する。毎回パピコ・マシンと読み間違えるけれど、意味は「タイプライター用紙」だそうです。インターネットからのマルチメディア幻想の頃、紙の本は消滅する危機を迎えるのか、という大きな問題があって、当時のデリダの回答が興味深い2024/08/10

ラウリスタ~

5
サルトルについてとか、各種雑多なインタビューとか。デリダがなんども「それについては私の本を読んでくれとしか言いようがないですね」って半切れになりながら答えている。2014/02/18

ぽてと

0
公演などの文が中心なので普段のデリダの本よりはわかりやすいとは思うが、それでも難しい。下巻に関して言いたいことは二つ。まずは、デリダによるソーカル批判。デリダはソーカルは真面目ではないとか述べている。デリダのこの文と同じくらい短いソーカルのポストモダン批判文を見たことがあるのだが、後者は前者よりも遥かにわかりやすい。ソーカルらは不真面目かもしれないが、デリダや批判されていたドゥルーズらは不誠実である。二つ目は、彼が右派のフィガロ紙との対談。批判的な相手なだけにそれ故主張は明確になっている。2016/07/15

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